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第762回 まずは米株安の影響がどの程度まで広がるかを見定めたい

2021年06月21日

 先週の5営業日でNYダウ平均は1200ドル近くの下げを演じた。その“主犯”は、先週15-16日の日程で行われていた米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果との解釈もできなくはないのだろうが、正味のところは「FOMCの結果が一旦利益を確定する口実として都合良く利用された」というのが現実であろう。
 それだけ、米株価に対する目先的な高値警戒感は強かった。なにしろ、先週14日にはS&P500指数とナスダック総合指数がともに史上最高値を更新し、S&P500指数に至っては14日まで3日連続の最高値更新という過熱ぶりだったのである。つまり、先週の米株安は言わば「当然の調整」であったし、FOMCの結果というのも後の市場の反応に見られたほどのサプライズはなかったと言っていい。
 その結果について「市場が想定していたよりもタカ派的だった」との受け止めが一部で見られたが、そうであったなら「事前の市場の想定自体が些か的外れであった」ということになろう。米国における足元のワクチン接種の状況や経済再開に向かう順調な足取りなどを考え併せれば、今回のFOMCの結果は個人的に「むしろ、まだかなり慎重」とさえ感じるものであった。奇しくも、先週15日にはニューヨーク州やカリフォルニア州で経済の全面再開が宣言されている。当然、小売店や飲食店の入場制限もなくなった。
 このような状況にあって、FOMCメンバーらの金利見通し(ドット・プロット)は、メンバーの投票の中央値で「2023年までに2回の利上げを見込む」。これは、逆の意味でサプライズ(慎重すぎる)と言える。まして、焦眉の急となっていた資産購入規模の縮小については、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「議論することについて議論」というちょっと笑えるワードを用いていた。できる限りじっくりと時間をかけて「市場との対話」を続けながら、つとめて慎重に事を進めたいとの姿勢には一定の評価を与えたいところだが、「そんなに市場は信用されていないのか」と思うところもないではない。

 とまれ、今回のFOMCの結果や先週末18日の米株安を招いたセントルイス連銀総裁の発言などによって、一旦低下し過ぎた米国債利回りはジワリと“正しく”強含みの推移となって行くことだろう。実際、18日の米2年債利回りは一時0.28%まで上昇した(総裁発言前は0.21%前後だった)。
 結果、前回更新分の本欄で想定したとおり、ドルは足元で強含んでいる。何より、目を見張るのはユーロ/ドルの見事な下げっぷりである。既知のとおり、先週16日以降のユーロ/ドルは3日続落して、一時は1.1850ドルをも下回る場面があった。
 前回の本欄では、それまで形成していた1.2060-1.2260ドルのレンジ(幅は0.02ドル)の下限を試すところまでは想定していたが、結局は1.2060ドルから更に0.02ドルの値幅を下方にとった1.1860ドル処が試されることとなったわけである。つまり、レンジが一段下がった(1.1860-1.2060ドル)。また、結果的に一目均衡表の週足「雲」上限が位置する水準を試す格好となった。その意味で、ユーロ/ドルは目先1.1850-60ドル処で一旦下げ止まる可能性もあると見られる。
 一方、ユーロ/円をはじめとするクロス円全般は大きく下押すこととなり、そのことがドル/円の上値を抑えることにもつながっている。ドル/円は先週17日に一時110.80円台まで上値を伸ばし、今年3月高値=110.97円とほぼ顔合わせする格好となったが、同日のNY時間入り後には米株安などに伴う市場全体のリスク回避ムードの高まりによって売り戻され、週末にかけては一時110円割れの水準を試す場面もあった。
 目先は、米株安の影響がどの程度まで広がるかを見定めることが肝心。大きな流れは依然ドル強気であるが、一時的にも揺り戻しの動きも見られると考えられ、ドル/円については押し目待ちで買いのスタンスで臨みたい。場合により、4月下旬から形成している上昇チャネルの下辺まではいったん下押す可能性もあると見る。むろん、上値はチャネル上辺あたりと見ておきたい。
(06月21日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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