FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

外貨投資 転ばぬ先の智慧

最新の記事

第763回 ドル高の背景に米2年債・米5年債の利回り上昇

2021年06月28日

 先週は、その前の週に米株価が大きく下落したことの影響がどの程度広がるかに注目したが、結局はS&P500指数やナスダック総合指数が連日で史上最高値を更新するなど、全体に強気の展開が続くこととなった。そうした流れを受けて、日経平均株価も週末にかけて2万9000円台を回復し、市場には全体にリスク選好のムードが戻ってきている。
 要するに、先々週行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に対する一時的な市場の動揺が収まったわけであるが、それは至極当然のことと言える。

 前回更新分の本欄でも指摘したように、市場の事前予想自体が少々「的外れ」だっただけで、よく考えればF「RBの姿勢はさほどタカ派的とも言えない」ということを、あらためて市場が認識したということになろう。むろん、米・日株価の一時的な乱高下が「短期投機筋による仕掛け的な売買やアルゴリズム取引の過剰反応によるところが大きかった」ということについても全体に理解が広がっている。
 とまれ、極めて慎重に時間をかけて続けられてきたFRBによる「市場との対話」は結果的に成功している。おかげで、もはや数カ月以内にテーパリング開始の議論が始まり、いずれテーパリング自体がスタートするなどといったことは、市場にすっかり織り込まれたと言っていいだろう。
 先週は「米航空大手で人手不足が深刻になっており、かなりの減便を余儀なくされるほど旅客需要が急増している」とのニュースが飛び込んできていたが、その状況にあってもなお、FRBが毎月1200億ドルもの資産買い入れを続けているというのは、やはり少々異常である。また、パウエルFRB議長からは「秋には力強い雇用創出が見られるだろう」との発言もあった。すでに、米国では失業保険給付の特別加算を前倒しで終了する州も数多く表れており、そろそろ求職活動を開始する向きが一気に増えてくる。目先は、今週2日に発表される6月の米雇用統計に「その兆候が表れるかどうか」が注目される。

 そして、今や市場の関心はテーパリングの向こうに控える久方ぶりの米利上げの方に注がれ始めている。そうは言っても最初の利上げ時期は早くても来年終盤と見られているわけで、それは「かなり向こう」のことでもある。
 いずれにせよ、そうした状況の中で市場の国債利回りに対する関心が10年債から2年債や5年債に移り始めていることも重要なポイント。仮に10年債利回りが低水準に押さえられ続けたとしても、2年債や5年債の利回りが強含みになってくるとドルは買われやすい。ちなみに、先週行われた2年債と5年債の入札はいずれも不調に終わった。
 先週、ドル/円は幾度か111円台を試す動きとなったが、これは4月下旬あたりから形成されている上昇チャネル内での動きでもある。よって、当面の上値の目安はチャネル上辺の水準ということになり、いずれは111円台後半から112円台前半あたりを試す動きとなっておかしくないと見られる。なにしろ、目下は日銀とその他の主要中銀との政策の方向に大きな開きが認められている。結果として、とかく“円全面安”の様相が色濃くなり、ドル/円、クロス円ともに強含みでの推移を続けやすい。なお、目下のドル/円の下値は一目均衡表(日足)の基準線と前記のチャネル下辺が支えており、なおも底堅い状況は続くと見られる。

 一方のユーロ/ドルは、前回更新分で想定したとおり、6月16日から急激な下げが週足「雲」上限の位置する水準で一服し、目先は一定の戻りを試す動きとなっている。
 ただ、欧州中央銀行(ECB)とFRBの政策の方向の違いからしても、ユーロ/ドルは基本的に戻り売りスタンスで構えておきたい。その上値は日足「雲」下限のところで押さえられており、仮に上抜けても次に200日移動平均線が位置する1.20ドル処が上値抵抗として意識されやすくなると見る。
(06月28日 07:00)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会