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第769回 米消費者のマインド低下は一時的と考えたい

2021年08月16日

 先週末13日に米ミシガン大学が発表した消費者信頼感指数(速報値)は、経済活動の本格的な再開への期待を膨らませていた市場参加者らを一気に意気消沈させるのに十分なインパクトではあった。既知のとおり、同指数は70.2と7月の確報値から11ポイント低下し、2011年以来10年ぶりという低水準に沈んだ。新型コロナのデルタ変異株が米国経済に及ぼすダメージは想定していた以上のものというイメージが強まっており、それによって消費者マインドが委縮しつつあることを浮き彫りにした格好である。
 むろん、今回の指標結果だけで悲観に傾き過ぎることは避けたいし、もともとソフトデータというものは移ろいやすくブレやすいものでもある。ただ、8月になってから発表された7月のISM非製造業景況指数や米雇用統計、生産者物価指数(PPI)、6月の米求人などが軒並み強い結果となったこともあり、じきにコロナ禍から脱出できるとの期待が膨らんでいたところもある。ところが、実際にはデルタ変異株の猛威が先行き不安を募らせる状況となっており、失望にも似た感情的反応が指数に反映されたことは致し方ないことなのかも知れない。現実問題、各種のハードデータは「過去のもの」でもある。

 とは言え、欧米においてはデルタ変異株の感染拡大に対する具体的な対応措置が徐々に講じられ始めていることも見逃せない事実である。
 周知のとおり、フランスではカフェやレストランなどで所謂『ワクチンパスポート』の提示が義務化され、ドイツではメルケル首相が10月からワクチン非接種者の行動を事実上制限し、ワクチン接種を促す措置を取ると発表した。
 米国ではグーグルやフェイスブックなど一部のIT大手企業がオフィス勤務にワクチン接種を義務化したり、9月半ばまでに米軍のワクチン接種を義務化したりするといった対応が始められている。また、米食品医薬品局(FDA)は先週12日、免疫力が低下している人に対する3回目のワクチン接種を承認した。
 こうした対応努力の成果がいずれ明らかになるにつれ、消費者のマインドも再び改善してくるだろうし、そもそも今回の米消費者信頼感指数は、未知なるデルタ株への脅威がもたらす「瞬間風速」的なものであり、少々極端に出たとの感もないではない。

 とまれ、米国では9月初旬までに失業保険給付の上乗せ措置が全面的に打ち切られることや新学期が始まることなどによって、確実に求職活動を再開する向きが増え、これまで顕著に見られていた求人と採用のミスマッチも一気に解消へと向かう。むろん、主要国ではワクチン展開も着実に進むはずで、それ相応の効果が発現することとなろう。
 先週末は、夏枯れ相場のなか米指標の結果を受けてやけにドルの売りが強まったが、代わりに買われたユーロや円にさほどの強みがあるわけでもない。ドル/円については、ひとまず89日移動平均線が下値サポートとして機能するかどうかを見定め、仮に同線をクリアに下抜けた場合は109.00円処が一旦意識されやすくなると見ておきたい。
 今週17日には7月の米小売売上高が発表される予定となっており、6月と同様に強めの結果となることが見込まれる。これは、あくまでハードデータ(過去の結果)ではあるものの、強めの結果が出れば市場は相応に好感するだろう。結果、ドルが買い直された場合、ドル/円は再び110円台半ばあたりまで値を戻す可能性もあると見る。

 一方、先週末に見られたドル売りで一時1.1800ドル台まで値を戻したユーロ/ドルについては、まず21日移動平均線が上値抵抗として機能するかどうかを見定めたい。デルタ変異株の感染拡大に対する警戒を強めているのはユーロ圏でも米国と同様であり、よって対ドルでユーロだけが勢いよく買い進まれるという展開はやはり想定しにくい。
 当面のリバウンドに限界が感じられるようであれば、再び反落して1.1700ドル近辺まで下値を試しに行く可能性も十分にあると考える。
(08月16日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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