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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第783回 相場急変時に確認しておきたいのは重要なチャートポイント

2021年11月29日

 先週末26日、南アフリカで検出された新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」を巡る話題によって国際金融市場の顔つきは一変した。
 欧州などでデルタ変異株への感染が再拡大している渦中にあるとはいえ、米国や日本などではアフターコロナに向けた動きが着実に強まっていただけに、心理的なショックと相場の反動が大きく出やすいところではあった。
 外国為替市場では、しばらくドル高の強い流れがしばらく続いていたことから、突然の状況一変によってそれまでのドル買いポジションが一気に巻き戻され、膨大なストップロスが次々に巻き込まれる格好で急速にドル安が進む格好となった模様。誰もが予期できなかったことでもあり、ここはひとまず割り切って、しばらくは冷静にオミクロン関連の情報をじっくり咀嚼して行きたいところである。
 果たして、この新たな変異株はどの程度の感染力があり、既存のワクチンで対応可能なのかどうか。そうした点について、より確度の高い情報が得られるまでには少々時間もかかるだろう。それまでの間、様々な噂や憶測、悲観論や希望的観測なども飛び交うこととなるだろうが、できる限り付和雷同しないように努めたいものである。

 もちろん、オミクロンに関する話題が噴出した今回のタイミングがたまたま米国の感謝祭シーズンと重なったことも、相場のボラティリティを一気に高める要因の一つになったと見ることができそうである。市場流動性が低下し、薄商いのなかで値が振れやすい状況にあったことは間違いない。
 オミクロン検出の一報を最初に受けた東京市場が例によって“草刈り場”と化し、仕掛け的(投機的)な株価指数先物売りの主導で大きく株安に触れたことが、同日の欧米市場に強いマイナスのインパクトを伴って伝播したというところもあろう。
 「まだ何も詳しいことはわからないから、とりあえず売り」の動きが出て、そうした動きに乗じる格好で仕掛け的な売りが嵩み、さらに「売りが売りを呼ぶ」という格好となったわけであり、場合によっては週明け以降にあらためてアンワインド=リバウンドの動きが生じる可能性も低くはないと見る。
 仮に、新たな変異株の一部が高い感染力を有し、ワクチンが効きにくいものであったとしても、その影響が及ぶのは米国に限ったことではないだろう。結果的に、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の正常化に一旦「待った」をかけるような事態になれば、そうした動きは英国や欧州などにも伝播する。そもそも、再びリスク回避的なムードが市場全体で強まることとなれば、むしろドル買いの動きがあらためて強まる可能性さえある。

 主要な通貨ペアに共通するのは「一時的にも市場が混乱状態に陥った場合、レートが大きく振れて行き着くのは、決まって重要度が高いチャートポイント」ということである。
 ドル/円については、まず先週25日以前は「もともと目先の高値警戒感が強かった(目先調整入りの可能性があった)」ということと、差し当たっては一目均衡表の日足「雲」上限の水準が下値の目安として意識されやすいということを心得ておきたい。
 また、ユーロ/ドルについては「もともと1.1200ドル割れの水準が当面の下値の目安と見られていたところ、先週24日に一時1.1186ドルまで下押したことで目先リバウンドが生じやすかった」ということが一つにはある。この水準は、今年1月高値と5月高値のダブルトップ完成後、テクニカル分析のセオリーからして試しに行く可能性が高いと見られていたところである。
 仮に、もう一段の戻りをユーロ/ドルが試す展開になったとしても、せいぜい21日移動平均線の水準まで値を戻せるかどうかといったところであろう。ちなみに、ユーロ/円は26日に非常に重要な節目である128円割れの水準を一時的にも試しており、目先は一旦下げ渋りやすい状況にあると見られる。

(11月29日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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