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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第791回 当面は「ユーロの戻りはどこまでか」に注目

2022年02月07日

 先週は、市場関係者や参加者にとって大きく3つのビッグ・サプライズがあり、外国為替相場の顔つきにも大きな変化が生じることとなった。
 それは、まず3日に行われた英中銀金融政策委員会(MPC)において、政策委員9名のうち4名が0.5%の大幅利上げを主張していたことである。実際に決定したのは0.25%の追加利上げと保有国債の再投資停止であり、ここまでは事前に織り込み済みとされていたが、政策委員の間で戦わされた議論の中身は想定以上にタカ派寄りであった。
 昨年12月の英消費者物価指数(CPI)が約30年ぶりの水準に加速していたことを考えれば、英当局が対応を急ぐのも無理はないのかもしれない。ただ、今回は事前に「0.5%の可能性も」などと言った声がほとんど聞かれていなかったため、市場にはサプライズと映ったのであろう。むろん、市場はMPC通過後直ちに「3月と5月も連続利上げが実施される可能性」を織り込み始めようとしている。
 2つ目は、同じ3日に行われた欧州中央銀行(ECB)の定例理事会後の会見で、ラガルド総裁が「インフレ見通しのリスクは上方向に傾いている」などと、インフレへの強い警戒感を示したことである。つい2週間ほど前まで総裁は「米連邦準備制度(FRB)に同調するつもりはない」などとハト派的な見解を示していたわけで、これは「明らかな方針転換」と言うよりも「突然の変節」であり、市場にサプライズが生じたのも当然と言える。
 もちろん、市場はすでに「年2回程度のECBによる利上げ実施」を織り込む動きへとシフトし始めており、ユーロを買い戻す動きも加速している。

 3つ目は、週末4日に発表された1月の米雇用統計における非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが事前の市場予想を大幅に上回ったことである。既知のとおり、2日に発表された1月のADP米民間雇用者数の伸びが前月比マイナス30.1万人と大きく減少していたことから、この日のNFPの結果には市場も少々驚きの反応を示すこととなった。
 結果、米10年債利回りは一時1.93%台まで急上昇する場面があり、ドル/円も再び115円台を回復した。ただ、足元のドル/円の上昇はユーロ/円の急激なリバウンドの動きに影響されている部分も大きく、ドル高よりも円安の方が勝っている印象ではある。
 実際、ユーロ/ドルは米雇用統計の発表後に一旦大きく下押す場面があったものの、後に大きく値を戻しており、目下はとにかくECBの方向転換に対応してユーロを買い戻そうとする動きが基本的に優勢となっている。
 その実、先週のラガルド総裁発言が伝わってからはユーロ/ポンドの戻りが目立って急になっており、そのことが相場全体の急変ぶりを如実に物語っている。ECB理事会が行われる前までは、ひたすらユーロ/ポンドが下げ続けていたことから、ユーロ/ポンドのショートを推奨する市場関係者も少なくなかった。よって、目下はそれだけショートカバーの動きも強まりやすくなっているということでもある。
 それはユーロ/ドルも同様であり、目下は「リバウンドがどの程度まで進むのか」という点が最も興味深いところとなっている。確かにラガルド総裁の変節はサプライズだが、冷静に考えればECBよりもFRBの方がずっと金融政策の正常化に前のめりになっていることも事実である。まして、ユーロにはウクライナ情勢の緊迫化という地政学リスクも指摘され、その点は今後もしっかり見定めてゆかねばなるまい。

 相場の顔つきにこれだけ大きな変化が生じると、当面の投資戦略を立てることもなかなか難しく、暫くは様子見を決め込むのも一手であろう。あえて果敢に臨むならば、個人的にはユーロ/ドルの急激な戻りに対して戻り売りを仕掛けるタイミングを計りたい。
 目先は、一目均衡表の日足「雲」上限と1月14日高値=1.1483ドルをクリアに上抜けるかどうかを見定めることが重要であり、仮に同水準を上抜けた場合には、次に1.1480-1.1580ドル処のレンジ内での動きになって行くと見る。

(02月07日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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