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第799回 ユーロの一段の下値リスクに要警戒

2022年04月11日

 ドル/円は先週末で6日続伸。当座はスピード調整を交えて少し落ち着つくかに見られた円安・ドル高の流れが、再び傾向として強まってきている。
 その火種は幾つもある。まず、先週は5日に米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事が「バランスシートを5月にも急速なペースで縮小」と述べたことで、市場が敏感にドル買いで反応した。「ハト派の代表格」と市場で認知されてきた同理事の発言であっただけに、それまで123円処にあった上値の抵抗はあえなく突破され、その後はストップを巻き込んで大きく上昇する形となった。
 また、翌6日には、3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公開され、参加メンバーらが「今後1回以上の0.5%の大幅利上げ+月950億ドルのバランスシート縮小」といった方針を支持していることが明らかとなった。それだけ、目下のFRBは早期引き締めに前のめりになっているように映る。
 さらに、7日に発表された前週分の米新規失業保険申請件数が16.6万件と、約53年ぶりの低水準を記録したことにも大いに驚かされた。

 その一方で、ユーロ/ドルがあらためて下値模索の色合いを濃くしていることも見逃せない。欧州連合(EU)が、先週5日にロシア産石炭を禁輸する制裁案を発表し、石油やガスの禁輸にはなおも慎重であることが再確認されたことは、ユーロへの打撃を多少なり緩和すると思われたが、同じ日に米国から“ブレイナード爆弾”が放り込まれたことで、結局はユーロ/ドルが一段と下落することとなった。
 6日に公表された3月開催分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨の内容が想定よりもタカ派寄りであったことから、ユーロの下落は若干減速したが、ウクライナ危機と対ロシア制裁が続く限りは、やはりユーロの上値に慎重であり続ける必要がありそうだ。
 エネルギー危機で景気後退リスクが高まるなか、なおもインフレ高進が続くという状況にあっては、ユーロの一段の下落リスクに対する警戒が強まるのも道理と言える。
 
 そんなこんなで、先週末8日には米10年債利回りが一時2.72%台まで上昇する場面があり、ドル/円は一旦124.67円処まで上値を試す動きを見せた。
 さすがに、125円の節目に近づくと戻り売りなどが出てくるようで、8日のドル/円の日足ローソクは上ヒゲを伴う形状を成すこととなった。明日(12日)に発表される3月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比の伸びが加速するものと見られるが、基本的には既に織り込みが進んでおり、その結果にドルが過剰反応を示す可能性は低いと見られる。
 思えば、ドル/円が3月28日に125円台をつけに行ったのは、日銀による連続「指し値オペ」の発動が大きかった。その意味からすると、当面は足元で再び強含みの動きになりつつある10年物日本国債の利回りの行方を注視しておくことがより重要となろう。
 もちろん、仮に直近高値の125.10円処を上抜けてくるような展開となれば、そこから一気に2015年6月高値の125.86円を試しに行く公算が大きいと考えられ、一応は警戒しておく必要があろう。
 目先は、再び124円処を試す動きとなるかどうかに注目し、仮に同水準を明確に下抜けてきた場合には、そこから123.50円処までの調整があり得るものと見ておきたい。

 一方、ユーロ/ドルは、目下のところ2017年1月安値(=1.0340ドル)と2020年3月安値(=1.0636ドル)を結ぶ下値サポートラインが利いている模様だが、同水準を明確に下抜けるとコロナ・ショック時の1.0636ドルを試しに行く可能性もあると見る。
 ただし、今週14日のECB理事会の結果とラガルド総裁の発言内容を受けた市場の反応は今のところ非常に読みづらい。場合によっては少し強めのインフレ対抗姿勢を示す可能性もあり、ユーロにとっては少々神経質な材料と心得たい。

(04月11日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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