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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第803回 やや過剰な正常化期待の向こうで燻る先行きへの警戒

2022年05月09日

 先週末6日に発表された4月の米雇用統計で労働参加率が62.2%に低下した。前月比で0.2%ポイントの低下に過ぎないと言ってしまえばそれまでだが、現実的には容易に看過できない数値と言える。焦点の一つは「コロナ前の63.5%を取り戻せるか」。足元の水準と僅か1.2~1.3%ポイントの違いなのだが、この差は実に大きい。
 とまれ、これで米労働市場のひっ迫した状態がなかなか解消に向かわないことはハッキリした。むろん、2日前の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示された当局の積極的な引き締め姿勢を正当化するに十分な内容であったことは言うまでもない。

 だからといって、足元でドルの騰勢が再加速し始めているわけでもない。先週末のドル/円は130.50円を軸とした130.25-75円の狭いレンジ内での動きに留まった。週明けのスタートも同レンジが大いに意識されるところとなろう。
 一つには、ユーロ/ドルに買い戻しの動きが見られたことがある。この日、欧州中央銀行(ECB)政策メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁が「ユーロ圏に一段の打撃がない限り、年内に(現在、マイナス0.5%の)中銀預金金利をゼロ以上に引き上げる可能性がある」などと述べたことが一因であった。相前後して、フィンランド中銀のレーン総裁やドイツ連銀のナーゲル総裁らも金融政策の正常化に前向きなコメントを発している。

 ただ、5日に行われた英金融政策委員会(MPC)において英中銀が4回目の利上げ実施を決定する一方で、今後の成長率見通しを下方修正し、来年のマイナス成長の見通しを示したことは決して軽視できない。これは「市場の利上げ期待は過剰」とのメッセージをあえて発したものと受け取れる。目の前のインフレ抑制のため正常化に取り組むことは重要だが、引き締めには自ずと限度もあるということであろう。
 むろん、いずれ正常化に踏み切ると見られているECBについても、同様のことが言えるだろう。また、場合によっては米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の政策運営についても、同様のことが言えるかもしれない。
 5日の日本経済新聞朝刊の社説には「FRBが過度の利上げで景気を冷やす『オーバーキル』も警戒される」とあった。警戒すべきことがあることを前提とするならば、FRBの引き締め姿勢に対する市場の期待も少し過度なものになっているのではないだろうか。米中間選挙を控えて、当局がインフレ対抗姿勢をより強くアピールしようとしていることも否定はできない。その点は、少し割り引いて考えたいところでもある。

 そうしたことも勘案すると、なおもドル高への期待は根強いが、今後は「3月初旬から4月下旬にかけて見られたような急激なドル高にはならない」と見ることもできるだろう。少なくとも「今後2回のFOMCで0.5%ポイントの利上げ」については、すでに市場が材料としての織り込みをかなり進めているものと見られる。
 そうかと言って、当分は円を買い戻すことも大いに躊躇われる。足元には日本の深刻な財政問題が横たわっており、日銀が政策方針を見直すことは非常に困難なものとなってきている。財務省の試算によれば、すべての国債金利が1%ポイント分上昇するだけで、日本の「国債費(利払いや償還費用など)」は3.7兆円も増えてしまうという。
 ある日銀関係者曰く「為替防衛のために利上げするなら米国並みに上げないと効果はなく、そのペースで日本が利上げしたら財政が破綻して円安が止まらなくなる」。
 そう考えると、ドル/円は徐々に135円処を視野に入れた動きとなる可能性が高いと見られるが、今週に関しては130.50円を軸とした130-131円のレンジ内での動きに留まるものと見る。
 一方、ユーロ/ドルについては1.0550ドル処を軸とした1.0475-1.0625ドルのレンジ内での動きになると想定しておきたい。

(05月09日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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