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第835回 米企業決算に対する市場の受け止めが当面の焦点

2023年01月23日

 前回更新分の本欄でも触れたが、やはりドル/円にとっては「半値押し」の水準というのが一つの重要な節目として意識された模様である。それは、21年1月安値=102.59円から22年10月高値=151.94円までの上昇に対する50%押しの水準を指し、先週16日の東京時間に確認された127.22円あたりというのがそれにあたる。

 むろん、先週18日に明らかとなった日銀金融政策決定会合の結果が一段の円高進行に歯止めをかける要因の一つとなったことは言うまでもない。
 その結果は、大規模緩和政策の据え置きであり、発表後のドル/円は一時的にも131円台半ばの水準まで急激に値を戻す動きを見せた。つまり、今回の日銀会合の結果を「意外」と受け止める向きも市場には少なくなかったということになるのだろうが、現実的にはアルゴリズム取引に伴う動きが一旦強く出た結果と言う部分も大きかったと思われる。
 今回の日銀会合の開催は、前回会合から1カ月足らずしか経っておらず、その意味でも政策方針が据え置かれるのは当然であったと言える。それだけに、なおも市場には「近い将来において日銀の政策方針が修正されることは必至」との見方が燻り続けており、その実、18日のドル/円は結局のところ「上に往って来い」の展開となった。

 依然、ボラタイルな展開が続いているわけであるが、すべては日銀による「対話」と「説明」の不足、そして日銀に対する市場の信頼感喪失が元凶になっていると思わざるを得ない。そもそも、前回12月の会合で「なぜ長期金利の許容変動幅を拡大せざるを得なくなったのか」ということに対する日銀の説明努力と市場の理解が圧倒的に不足している。つまり、市場にはある程度の「誤解」もある。
 黒田日銀総裁は、その誤解を正そうとするかのように世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において「2%の物価目標を安定的、持続的に達成するため現在の極めて緩和的な金融政策を継続する」と改めて表明した。それを受けて、先週末20日のドル/円は再び131.60円あたりまでの戻りを試す格好となったわけである。

 こうなってくると、次の焦点は2月1日に明らかとなる米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて、市場がどのように反応するかという点に移る。少なくとも、それまでの間にドル/円がもう一段の上値を試しに行く可能性はあろう。一つの目安となり得るのは21日移動平均線(21日線)であり、振り返れば、日銀会合の結果を受けて一時急上昇した場面でつけた18日の高値も21日線に上値を押さえられる格好となった。
 むろん、次回のFOMCにおける米利上げ幅は0.25%ポイントに留まるとの見方が、すでに市場では十分に織り込まれているということも再認識しておかねばなるまい。したがって、今回のFOMCは無風で通過する可能性もあると見られる。

 もちろん、いよいよ本格化する米主要企業の決算発表からも目が離せない。先週17~19日にかけて少々大きく下落した米株価が、米主要企業の決算発表一巡後も持ち堪えていられるかどうかを当面は慎重に見定めることが重要となる。
 市場のリスク回避ムードが一段と強まった場合には、ドル買いと円買いが同時に強まるものと思われるが、そのバランスは微妙。ドル買いが強まることで、高止まりしているユーロ/ドルが調整含みとなった場合は、ユーロ/円の下落がドル/円の下げを誘発する可能性もないではない。目下のユーロ/ドルは一目均衡表の週足「雲」に潜り込む格好となっており、その「雲」上限水準が当面の上値抵抗となる可能性もある。
 いずれにしても、ドル/円にとっては依然127円台前半の半値押しの節目が重要で、ひとたび下抜けた場合には125円の心理的節目を試しに行く可能性もあると見ておかねばなるまい。

(01月23日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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