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第850回 ユーロ/ドルに一段の上値余地拡がる!?

2023年05月08日

 先週のドル/円は、2日の高値=137.77円処から4日の安値=133.50円処まで4円余りの値幅で大きく値を下げる場面があった。
 2日は、同日発表された3月の米雇用動態調査において求人数が959万件と、2カ月連続で1000万件を下回ったことがネガティブな印象を市場にもたらした。米企業による求人が全体としてすでにピークアウトしていることは間違いなかろう。
 また、3日のNY時間に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「利上げ打ち止めの可能性を示唆した」ことで、あらためて前日からのドル弱気の流れが引き継がれることとなった。
 もちろん、パウエル議長は6月会合での追加利上げの可能性も残しており、なおも市場の一部で燻っている7月(および年内)の利下げ開始観測にはまったく与していない。
 当然、それは今後のデータ次第ということであり、その意味からすると週末5日に発表された4月の米雇用統計の結果は、6月の追加利上げ期待を高めるほどではなかったものの、7月利下げ開始の可能性に対する期待は後退させるものとなった。正味のところ、一部の7月開始説はさすがに先走り過ぎと言えよう。

 なお、4日に進んだもう一段のドル安については、幾つかの米地銀の株価急落が引き金となったもので、多分に空売りで一儲けを企む短期筋の投機的な売り仕掛けの色合いが濃いものであったと考えられる。実際、週末5日の米株市場では前日に一時急落した地銀株が大きく買い戻され、市場のムードは急速に改善している。
 米当局は、モラルハザードへの懸念から預金の全額保護を全面的に適用することにはなおも慎重だが、万一不測の事態が生じた場合には、例外なく&遅滞なく預金全額保護の判断が下されるものと想定され、実質的には全面適用されるとのコンセンサスもすでに形成され始めていると思われる。米銀行の業界団体は米証券取引委員会(SEC)に調査を求めており、今後は徐々に投機的な動きにも歯止めがかかると見ておきたい。

 一方、大いに注目されていた欧州中央銀行(ECB)の定例理事会では、通常幅と言える0.25%ポイントの利上げを実施する決定が下された。2日に発表された4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の結果が事前予想とほぼ一致し、前回の状況ともさして変わりなかったことが、ECBに“無難な”判断を下させる一因になったと考えられる。
 もっとも、ラガルド総裁のタカ派姿勢に依然変わりはないようで、今回、ECBは資産購入プログラム(APP)で購入した債券の満期償還金の再投資を7月に停止する方針も示していた。結果、市場では利上げ継続の期待が高まっており、そのことがユーロ/ドルの下値を支え続けている。
 いまだ、ユーロ/ドルが1.10ドル処の節目を明確に上抜けたとの感触は掴み切れていないが、足元で31週移動平均線(31週線)が62週移動平均線(62週線)を下から上に突き抜けてきている点は見逃せない。当面は、62週線が横向きから上向きに転じてくるタイミングを見定めていくことも重要であると心得たい。
 今後、強気の勢いが増してくれば、21年1月高値から22年9月安値までの下げに対する61.8%戻し=1,1270ドル処が意識されやすくなるだろう。

 ドル/円については、何より先週2日高値(137.77円)が3月8日高値(137.91円)を明確に上抜けず、そこから押し戻される格好となったことがまず印象に残る。
 目先的には135円処で上値が重くなっており、結局、先週の週足ロウソクも終値で31週線を上抜けることができなかった。昨年11月下旬以降、この31週線が上値抵抗として強く意識されていることは間違いない。個人的には、135円処を軸に133.50-136.50円のレンジ内での値動きを想定しておく。

(05/08 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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