FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 外貨投資 転ばぬ先の智慧 > 第902回 「7月以降も米株価が好調に推移するか」がカギ!?
外貨投資 転ばぬ先の智慧

最新の記事

第902回 「7月以降も米株価が好調に推移するか」がカギ!?

2024年07月01日

 ドル/円は先週、ついに今年4月高値=160.23円処や1990年4月高値(=160.36円処)を上抜け、一時的にも161円台に乗せる動きとなった。重要な節目と考えられていた水準をも上抜けたことから、ストップロス・オーダーを巻き込んだ買いが加速。一段の円安進行を受けて神田財務官は「足元の動きは過激」との認識まで示していたが、それでも具体的な実弾介入の動きは今のところ見られておらず、むしろそのこと自体がドル/円の一段の上昇に加勢したとの感さえある。
 先週末には「神田財務官が7月末で退任」との一報が伝わったが、本邦当局者らによる口先介入にほとんど効果が見られなくなっている今となっては、その影響も自ずと限られるものと思われる。こうなってくると、もはや日銀がやや大胆に“次の一手”を打たないことには、足元の円安の流れに歯止めをかけることは難しい。
 とはいえ、次に日銀が具体的な材料を市場に提供するのは来週9-10日に行われる「債券市場参加者会合」ということになりそうで、それまでにはまだ少し時間がある。その間、ドル/円がもう一段の上値を試すとすると、一つには「2022年10月高値から2023年1月安値までの下げ幅を1.382倍した値を同安値に加算した値=161.35円処」というのが目先的な上値の目安ということになろう。実際、先週28日につけられた高値は同水準にほぼ顔合わせした。

 もっとも、来週の債券市場参加者会合を通じて国債買い入れ減額の詳細が市場に伝えられ、結果、大した混乱が生じなければ「それは7月利上げの制約にはならない」と見る向きも市場にはある。先週25日にブルームバーグが行った調査でも、回答した43人のエコノミストのうち33%が「7月の政策会合で日銀は追加利上げの実施を決定する」と見ているという。
 もちろん、仮に日銀が追加利上げの実施を決定しても「基本的な円安の流れは長期化する」と見る向きもないではない。ただ、一方で米景気の減速傾向が一段と鮮明になり、想定よりも米利下げのペースが速まるとなれば、また話は別である。
 28日に発表された5月の米個人消費支出(PCE)デフレータは、事前の市場予想通りの内容となったが、年後半の米利下げ期待を正当化するものであったとの声もあちこちで聞かれていた。なかには「米景気は予想よりも速いペースで減速しつつあり、それは米連邦準備制度理事会(FRB)が見込んでいたよりも急速」、「後になって必要上の利下げを迫られる可能性がある」と述べる向きもある。
 実際、27日に発表された1-3月の米GDP(確報値)において、米経済の主要エンジンである個人消費は前期比年率1.5%増と、改定値から0.5ポイント下方修正されていた。週末に発表された6月のシカゴ購買部協会景気指数やミシガン大学消費者信頼感指数は予想を上回っていたが、そこには6月に見られた米株高の資産効果も反映されていると見られる。つまり、一つには「米株価が7月以降も好調に推移するかどうか」が米景気の行方にとって非常に重要ということになろう。

 また、当面はフランスの総選挙の結果とその影響からも目が離せない。30日に行われた第1回投票の結果については「マリーヌ・ルペン氏が事実上率いる極右政党国民連合(RN)の優勢」を、事前に織り込む動きが市場で見られていた模様だが、週明け1日早朝の市場では「RNが事前の一部世論調査より小幅な差で勝利することになる」との見方が伝わっており、シドニー市場ではユーロ/ドルを買い直す動きも見られている。
 より重要な第2回投票の結果については「RNが絶対多数を確保するのに必要な票数を満たせない可能性」も取り沙汰され始めた(執筆時)。言うまでもなく「選挙は水物」であり、今週はより慎重にユーロと向き合いたい。

(07/01 07:10)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 外貨投資 転ばぬ先の智慧 > 第902回 「7月以降も米株価が好調に推移するか」がカギ!?