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第566回 「米利下げ観測」が加速も、やはり「イメージ先行(往き過ぎ)」の懸念が…!?

2019年06月21日

 注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)を経て、マーケットは『米利下げ観測』をさらに加速させました。「政策金利」こそ“据え置き”でしたが、「ドットチャート」は“前回0人⇒8人”と”年内利下げ予想が増加”しており、「声明」は“忍耐強く”の文言が削除されたからです。マーケットこれを“ハト派(早期利下げを示唆)”と受け止め、“ドル売り”が促されました。“ネックライン(6/5安値:107.81円)”を明確に割り込んだドル円は、本稿執筆時点では“107.047円”まで一時売られる動きを見せています。

 もちろん「マーケットは思惑(イメージ)で動く」ということを考えれば、“ある意味、当たり前”といえなくもない動き方を見せているのは事実です。しかし内容を見ると、どうしても「イメージ先行」の面が否めないところがあります。一つは「ドットチャート」、もう一つは「パウエルFRB議長の記者会見」です。

 前者では「年内利下げ予想増加(0人⇒8人)」が囃されたわけですが、平均値で見ると“前回と変わらず(据え置き)”という状況になります。また内訳を見ると、「年2回利下げ(7人)/年1回利下げ(1人)」に対して、「据え置き(9人)」が多数を占めている状況になります。それでいて金利先物では、すでに「年3回利下げ」が織り込まれている格好になるからです。
 
 後者に関しては、「米国以外の経済に陰り」「貿易は相変わらず不透明」との懸念を示し、
「適切な対応をとること検討」とつないだことで“ハト派”と捉えられた印象がありますが、「米経済の70%を占める消費はしっかり」「失業率も低い」と強調されています。なにより「予防は治療に勝る(An ounce of prevention is worth a pound of cure)」と表現しており、“あくまで予防のため”と見るのが自然です。それでいて前記「年3回利下げ」が織り込まれているのは、やはり往き過ぎ…?

 「米利下げ観測=ドル売り(円買い)」というイメージが強いのは事実ですが、89年以降の米連続利下げ局面におけるドル円推移は“マチマチ(下落:3回/上昇:2回)”というのが実状です。テクニカルは悪化しているだけに“さらなる下落”も想定せざるを得ない曲面かもしれませんが、“予防的な利下げ”という可能性が残る間は「悲観する必要なし(そうは下がらない)」と考えながら、G20(米中首脳会談含む)を控える神経質な来週に備えたいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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