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第540回 少し雰囲気が変わってきた…? - 本日はテクニカル中心

2018年12月14日

 今週のドル円は、比較的“小じっかり”した動きを見せました。「中国、米自動車の輸入関税引き下げへ」との一部報道、次いで「中国通信大手・ファーウェイCFO保釈」との報が流れ、“米中貿易交渉進展”との期待感が台頭したからです。さすがに“一気の上値追い”とはなっておりませんが、昨日(13日)には“113.70円”水準へと値を戻していきました。先週までとは少し雰囲気が変わった印象もありますので、そこで今回は“テクニカル中心”で現状観察を行いたいと思います。

 今回の反発は、4月に突破して以降、下値を支え続けてきた“100日移動平均線”で下げ止まった(6日)ことに起因しています。ただテクニカル的にはもう一つ、“フォールス・ブレイクアウト”というものもあります。





 『過去の安値を割り込んだが、下落は加速せず、すぐに値を戻した』。こういう動きの際に用いられる用語ですが、一般的に“下げ止まりシグナル”とされています。『 一旦ブレイクした抵抗が“改めて意識”され、追随売りフローは入りづらくなり、逆に巻き戻しが促されやすい』という考え方に基づくものですが、今回の件に当てはめると「11/20安値(112.304円)を割り込んだものの、下値は112.235円と浅く、すぐに戻した」という点で一致しています。10日に再び“112.20円台”へと売り込まれたことから“ヒヤッと”したのは事実ですが、その後の順調な戻りを見れば、“下げ止まりシグナル”として機能したことが窺えるところです。

 “下げ止まり⇒反発”を見せ、そしてマーケット・イメージが“下方向(戻り売り)一辺倒”だった直近の動向を考えれば、“さらなる上値追い”を期待したくなるのは人情です。しかしテクニカル的に見ると、残念ながらまだ“膠着の域を脱していない(レンジの範囲内)”といわざるを得ないのも、また事実です。



 少し目線を広げて見れば、現在は“10/4高値-11/12高値を結ぶトレンドライン”と“8/21安値-10/26安値を結ぶトレンドライン”に挟まれた、“三角保ち合い”を形成していることが窺えます。そして戻り(反発)を見せていますが、まだ“保ち合いから脱していない”ことも窺えるところです。前記“膠着の域を脱していない”と見ざるを得ないのは、このためです。

 ただし“三角保ち合い下辺(本校執筆時は112.55円水準)”の周辺には、キッカケとなった“100日移動平均線(同112.372円)”を始めに、“日足・一目均衡表先行スパンの雲(同112.463-965円)”が絡んでいます。何より現在はさらに上の“20日移動平均線(同113.209円)”にもサポートされている格好であり、「保ち合い内ではあるものの、“期待は上方向”は変得る必要なし」と見ることは可能ということになります。

 つまり問題となるのは、“三角保ち合い上辺(同113.90円水準)”…。後退しているとはいっても“英Brexit懸念/伊財政問題”が燻る中で迎える週末とあっては、“上値が重い”を目先は強いられる可能性が高いと考えざるを得ません。しかし来週にはFOMC(18-19日)が予定されており、そこで2019年の米金融政策方針が打ち出される可能性も増しつつあります。結果は見るまでわかりませんが、テクニカル的には「同上辺が加速のスタートライン(超える?)or上値メド(超えない?)」を分ける重要な分水嶺と見て、来週に臨みたいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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