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第448回 なかなか止まらないリスク回避、ただドル円は“陰の極”に達した…!?

2016年01月15日

 まぁ、リスク回避姿勢が止まらない…。「中東発の地政学的リスク」「中国株&中国人民元急落」さらには「北朝鮮の水爆実験報道」も重なったリスク回避姿勢は、依然として猛威を振るっています。“人民元の設定値切り上げ”&“資金供給にて上海株下落に歯止め”でなんとか“株安の連鎖”は断ち切られたかに思われましたが、本日はまたしても上海株急落で日経平均は上昇を維持できず、ドル円は再び117円台へと押し戻されています。そのきっかけとなったのは、またしても“人民元の基準値設定”でした。


 前日比終値からは“人民元高での設定”ではあったものの、“昨日の基準値からは若干人民元安の設定”となっていたことが、「中国当局はやっぱり人民元安誘導→景気支援を図っている」との思惑を蒸し返したからです。黒田日銀総裁が「現時点で追加緩和をする考えはない」とコメントしたことも、下値を拡大した印象があります。


 もっとも上海株が一時2900ポイントを割り込む急落であったにもかかわらず、ドル円に関してはそう大きく下がっていない印象があります(オセアニア通貨などは見る影もありませんが…)。これは資源国通貨/新興国通貨に対してドル買いが継続しているためと見られます。そして資源国通貨/新興国通貨に対するドル買い継続は、過去の経験則でいうとドル円でもドル高トレンドが支援されるパターンも目立ちます。


 今夏の参院選に向けて、政府(官邸)が“円高・株安阻止” “景気浮揚策”に本腰を入れてくる可能性も無視できません。また民間企業に賃上げを要請している日銀も、前記したように「現時点で追加緩和をする考えはない」と黒田総裁が本日の国会で述べているものの、“追加緩和”に踏み切る可能性があります。(国会ではそういうしかないでしょう、まさか追加緩和を準備していますとはいえないでしょうから…)。少なくともそれら思惑が失望へと完全に転換するまでは、ドル円の下値を支える可能性は十分にあると考えます。


 もちろんリスク回避は“全ての材料をなぎ倒す破壊力”を持っていますので、オーバーシュートする可能性はゼロではありません。しかし前回も記したように、大きなトレンド転換なしにリスク回避はそう長く続くものではありません。中国&原油動向を睨みながらにはなりますが、現時点で台頭するリスク回避姿勢は“往き過ぎ(陰の極に達した?)”の可能性は高いと考えます。よく行って「1/11安値(116.670円)」、オーバーシュートしたとしても「昨年8/24安値(116.196円)」まで…?

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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