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第467回 失望感台頭の日銀会合だが、そこまで悪くない(…というより一定の効果あり)!?

2016年07月29日

 “期待と不安”が入り混じった日銀金融政策決定会合は、「追加緩和実施(ETF買い入れ増額:3.3兆円⇒6兆円/ドル資金供給増額:120億ドル⇒240億ドル)」でした。ただそれ以外は「ほぼ据え置き」となり、期待された“3次元緩和”は行われませんでした。発表直後こそ瞬間的に105円半ばへと上昇しましたが、失望感に包まれたドル円は一気に102円後半へと売り込まれました。


 「中途半端なことをすればこうなる…」の典型みたいな動きですが、ただその割に「下値が浅かった」ように感じます。これは「ハシゴを外された4月や6月のトラウマ」もあり、期待感一色に染まり切れなかったことが寄与していると考えるのが自然です。事実、拭い切れない不透明感は昨日/一昨日とドル円を乱高下させており、“買いオーダーが溜まり切らなかった”可能性が指摘されます。当然“ストップロスがかかり切らない”ということが考えられ、下値が支えられた可能性があります。


 もう一つ、今回日銀が出した決定(判断)の特徴は、「①マイナス金利を維持した上で、ドル調達を後押し」、「②次回会合までに現行政策を検証し、総括的に見直すよう指示」、「③政府との相乗効果を目指すと明記」したことが上げられます。①は“銀行や金融機関にポジティブ”と捉えることが可能であり、事実、銀行株の上昇が日経平均反発を後押ししました。②は“次の一手”に含みを残した”格好となり、「次回会合で追加緩和に踏み切る可能性」との思惑が頭をよぎります。何より③は“政府とワンセット”というところが“トラウマの4月or6月”とは異なります。「最低限のことしかやっていない」印象は否めませんが、「つなぎ的な措置」との印象も残るだけに「失望感は続かない」と考えることが可能です。


 もちろん今回の日銀決定に関しては、評価が割れるところでしょう。大きく切り下がった日足・一目均衡表の雲上限に再度押し戻され、さらに雲下限からも押し出された格好になることから、テクニカル的には芳しくありません。下方向を見る向きにとっては「反発したところは絶好の戻り売り」を提供する可能性も高く、上値が重い展開を強いられる可能性も低くありません。


 それでも「最低限のことしかやっていない」にも関わらず、現時点で「下値は浅く」に留められています。それでいて「次回会合への含み」を残しています。今回の結果のみで「失望感が台頭し続ける」という展開は、ちょっと状況は想定しづらいところです。


 「失望感台頭⇒再度100円割れを窺う」との声は少なくありませんが、「一定の効果はあった」と考えたいところです。後は来週に公表される“政府の経済対策”の内容次第か。そこまで期待感が台頭している状況ではないだけに、失望を誘うほど悪い内容でさえなければ…?

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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