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第473回 戻り売り圧力根強いが、リスクセンチメントは大きく改善

2016年09月09日

 米雇用統計は事前予想を下回った(+15.1万人)ものの、許容範囲でした。しかし6日発表のISM非製造業景況指数は2010年2月以来の水準(51.4)へと落ち込み、9月利上げの可能性は急速に後退していきました。7日の東京タイムが始まる前の流動性の乏しさに合わせて加速したストップロスのドル売り(実際には仕掛け的な円買い?)は、ドル円を101.20円水準へと押し下げました。

 もっとも時間的なスパンを“9月⇒年内”へ広げると米利上げ/日銀追加緩和はしっかりと残っており、それ以上の下値を模索することはありませんでした。ECB理事会が「当面、追加緩和は必要ない」とした8日には“ユーロ買い⇒ドル売り”が促されたものの、予想以上に減少していた全米週間石油在庫を背景にした“原油反発⇒米10年債利回り急上昇(債券価格は下落)”が優勢となって、ドル円は102円半ばへと値を戻すに至っています。

 金融政策の発言を禁止する“ブラックアウト”が13日から始まる中、金利先物から見た“9月利上げの確率”は依然として20%前半でうろうろしています。マーケットとの円滑なコミュニケーションに腐心するFRBのやり方を考えれば、それまでの間にこの確率を引き上げるのは困難(少なくとも50%、出来れば70%は欲しい)と見られ、週後半には小売売上高/鉱工業生産/消費者物価指数等の主要な米経済指標発表が目白押しであるとはいえ、「9月利上げは難しい」と考えざるを得ないところです。

 一方で“9月利上げ観測の後退”は“株高継続期待&国際商品反発期待”につながりやすく、リスクセンチメントの面からは“しっかりとした動き”が期待されるところです。それでいて前記したように“9月⇒年内”へ広げると米利上げ/日銀追加緩和はしっかりと残ります。

 “ドルの戻り売り圧力”ばかりが連想されていますが、目先の巻き戻しを強いられるのは“9月利上げの可能性”を囃したドル買いポジションのみ…。“年内利上げの可能性”を囃したドル買いポジションは別と考えると、センチメントを打ち破るような“強烈なリスク回避⇒円買い”でも発生しない限り、「ここからの下値追いは期待薄」と考えるのが自然か…?

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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