期待外れとなったトランプ会見を機に、ドル円は113円台へと一時売り込まれました。“115-118円のレンジ”を外れ、“12月FOMC直前安値(12/13:114.730円)”をも割り込んだわけですので、“さらなる調整(下値探り)”への懸念は拭えなくなりつつあります。
一方で前回も記したように、ファンダメンタルズ的には“何ら変わっておりません”。トランプ会見も“経済・財政への具体的な言及なし⇒期待外れ”とのレッテルこそ張られはしたものの、決して“失望”との判断がなされたわけではないからです。期待先行は今に始まったことではなく、大証は別にすると“不透明感は元々”といえます。
“保護主義が強まった⇒ドル売り”との論調も目立ちますが、会見で飛び出した“国境税”は“輸入抑制・輸出促進⇒米国内の生産性増加⇒成長率押し上げ”が期待できる施策です。それでいて為替水準には口をつぐみ、ドル高・円安がけん制されたわけではありません。
以上のことを勘案すると、トランプ次期大統領が求めるアメリカファースト(保護主義)は“ドル安ではなく”“米国への投資拡大”との仮説が成り立ちます。“米国への投資”にはドル高の方が都合よく、金融街出身者で周りを固めたことへの整合性も成り立ちます。それでいて“米雇用にはポジティブ”になりやすく、“中間所得者の給与増加につながる可能性”も秘めています。
「満ちた(上昇)ものは、いつか欠ける(下落)」ものですが、はっきりしない(失望につながっていない)以上、「今はその時ではない(期待感は残る)」。「保護主義⇒ドル安」と決めつけられない以上、「あくまでも現状は調整の範囲内」と見るのが自然…。そして「急速にセンチメントは悪化」「上値追い機運も腰折れ」の状況ではありますが、「大統領就任式は目の前」というスケジュール感…。 “下値は限定的”“早晩、ドル買い基調に回帰”を想定したいところです。
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プロフィール
武市佳史(たけちよしふみ)
大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。
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