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第514回 「バブル崩壊」はさすがに言い過ぎ - 上値は重いが、下値も限定的…!?

2018年02月23日

マネーパートナーズからのお知らせ:
2018年3月23日(金)の本コラムは、筆者都合により休載します。なお直近のマーケット状況につきましては、当社お客様限定ですが『会員専用サイト』内で公開の特別動画『一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー』にて、筆者が解説しております。

 一時110円半ばへ上値を伸ばしたドル円でしたが、「NYダウ急落⇒株安の連鎖(リスク回避)⇒円買い」で様相は一変しました。その後「株安の連鎖」は影を潜めたものの、今度は「悪い金利上昇への思惑(ドル売り)」がドル円を押し下げました。そして先週末(16日)には、2016年11月10日以来の105.55円水準まで一時下落しています。その後は「下げ止まり⇒買い戻し」が優勢となりつつありますが、まだ「不安定さ」は警戒され続けています。

 こうした中、今回の株価急落は「本格的なバブル崩壊の始まり」との声が少なからず聞こえてきます。もしそうだとするならば、今後も「上値は重く」「もう一段の下落」も想定(警戒)もせざるを得なくなってきます。 しかし筆者はそうは見ておらず、今回の件は「ボラティリティ低下」の中、「積み上がっていた買いポジション」が巻き戻され、さらに「プログラム売買が重なった」と考えているからです。仮にこの見方が正しいとすれば、往き過ぎた下落には「応分の戻り」が入ると考えるのが自然です。いずれにしても見方は割れて(拮抗して)いますので、どちらかを選択することは現時点では困難です。ただポイントとなってきそうなのは、ハッキリしています。「米長期金利(10年債利回り)」の動向です。

 今年に入ってから、米長期金利はその上昇スピードを上げてきました。昨年半ばから「米経済成長率が3%前後」が続く中、「トランプ政権の財政拡大策」まで加わるとあっては、「米インフレ懸念が高まる」と考えても何ら不思議ではありません。しかし3%に近づいたことで「金利面での魅力」は向上しており、金利上昇・株価急落に伴う「米経済指標の先行き鈍化懸念」も高まりつつあります。なにより「早過ぎる上昇スピードへの警戒感」の存在が大きく、その上昇ペースはここに来て鈍化しつつあるようにも見えます。

 「米経済に成長余地はなし」ともなれば、財政拡大策は「弊害でしかない」ということになります。しかし現時点における米経済は「極めて堅調」であり、「潜在成長率の上方修正」さえ期待される局面へと移行しつつあります。そうなると財政拡大は「成長率の高止まり」を促し、「緩やかなインフレ上昇」と相俟って、「金利正常化への道筋」がよりクローズアップされる可能性は否定できません。少なくともその可能性がある以上、米国債をここから大きく売る(金利は上昇)は「さすがに往き過ぎ」と考えることは可能です。

 米長期金利の上昇が続けば、為替市場にとっては「ドル売り・円買い」が席巻するのは疑いようがありません。しかし米債券市場においては、先月後半辺りからは参加者の見方がガラリと変わった(より上昇往き過ぎを警戒)しているようにも見えます。見方が割れて(拮抗して)いますので「基本は揺れ動き」であり、「上下どちらを見ても取れる」可能性は高そうに思いますが、直近の急落(バブル崩壊への思惑)は「往き過ぎ(大げさ)」と考えて、対応する必要がありそうです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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