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第517回 仮に“リスク回避”が台頭しても、“円買い一辺倒にはならない”…!?

2018年06月22日

マネーパートナーズからのお知らせ:
2018年6月29日(金)の本コラムは、筆者都合により休載します。なお直近のマーケット状況につきましては、当社お客様限定ですが『会員専用サイト』内で公開の特別動画『一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー』にて、筆者が解説しております。

 「利上げペースアップ(FOMC)」「出口を迎えるが、利上げはまだまだ(ECB)」「出口が見えない(日銀)」…。日・米・欧金融政策は“立ち位置(方向性)の違いを鮮明”にしており、マーケットの目は“金利格差”へ向かいやすくなっています。一方で“米中貿易摩擦(貿易戦争)懸念”は燻り続け、昨日は“伊政治リスクの再燃”も重なりました。「上値は重いが、下値もしっかり」というのはこのためであり、ドル円は“110円ラインを挟んで往ったり来たり”を繰り返しています。

 主だったイベント不在の来週も、「こうした傾向は続く」と考えるのが自然です。FOMC・金利見通し(ドット・チャート)では「3回利上げ⇒4回利上げへ上方修正」、パウエルFRB議長は「緩やかな利上げを継続」と発言する等、ドルの底堅さが増した印象があるのは事実ですが、反面、米中貿易戦争懸念は“すぐに解決”といった類の話ではありません。今後も燻り続ける可能性は高く、それでいてNYダウが“8日連続続落(これは過去1年で最長)”を記録するなど、米保護主義政策への警戒感が高まっているのは事実です。売り・買い共に決め手を欠く状況は、「新たな後押し要因が浮上するまで続く」と考えることが可能だからです。

 気を付けておかなければいけないのは、その候補として「OPEC(協調減産緩和⇒原油価格下落となる可能性:22日)」「トルコ大統領選&議会選(政局不安:24日)」が控えていることです。どちらも“新興国発のリスク回避⇒円買い”を促しかねない要因であり、“全ての材料をなぎ倒す破壊力”を秘めているからです。ただそれですぐさま“ドル円が下方ブレイク(円買い)”かと問われれば、いささか疑問が生じるところがあります。なぜなら現在のリスク回避姿勢は、「以前ほど円買い一極集中にはならない」「円買いと共にドル買いも入る」といった傾向があるからです。

 テクニカルを見ると“200日移動平均線(本稿執筆時は110.229円)”を上回り続けることはできていないものの、大きく外れてはおりません。そして上値メドが“6/15高値(110.896円)”“5/21高値(111.393円)”と直近高値のみであるのに対し、下値メドは“20日移動平均線(同109.873円)”“日足・一目均衡表基準線(同109.751円)”“6/19安値(109.550円)”“50日移動平均線(同109.513円)”“日足・一目均衡表先行スパン上限(同109.469円)”とバラエティに富んでいます。“3/23安値-5/29安値を結ぶトレンドライン(同109.450円水準)”も控える中、“前記傾向”を鑑みると…?

 いわゆる“水物”であるだけに「決め打ちは禁物」ですが、引き続き「押したところは買い拾う」を基本としたいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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