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第518回 注目の米中貿易戦争より、軽視されがちな米雇用統計が「目先の重要度は上回る」…!?

2018年07月06日

 本日(6日)日本時間13:01《米東部時間0:01》。米国側は注目の「対中追加関税」を発動しました。これを受けて中国側も「報復関税」を課す可能性が高く、『米中貿易戦争懸念』は佳境を迎えつつあります。“すぐに払拭する”といったたぐいの話ではないだけに、“リスク回避姿勢”は残りやすく、“円買い”への思惑を維持するには十分過ぎる材料といえます。

 一方で現在のリスク回避姿勢は、以前のように「円買い一辺倒」とはなっておりません。「円買い」と共に「ドル買い」も促されやすく、当該通貨同士のペアであるドル円にとっては「ブレーキがかかりやすく(下値が限定されやすく)」なりつつあります。もちろんファーストアクションは「円買いが先行」するのでしょうが、“米景気悪化の兆候”でも見えてこない限り、「大きな下落は想定しづらい」と考えることは十分に可能といえます。

 そういう視点で見ると、注目を浴びる「米中貿易戦争懸念(追加関税発動)」よりも、軽視されがちな「米雇用統計」がより重要といえなくもありません。前者が“一旦の材料出尽くし”と見られる中、後者は前記“米景気悪化の兆候”を探る上での“重要なファクターの一つ”としての意味合いがあるからです。

 その米雇用統計、事前予想は「非農業部門雇用者数(NFP):+19.5万人」「失業率:3.8%」「平均時給(時間当たり平均賃金):+0.3%」となっており、まずはここからの乖離具合が注目されるところです。NFPは「米労働環境の堅調さを表す“+20万人”」は概ねキープしているものの、「前回値(+22.3万人)を下回る」と見られています。前哨戦がいずれも芳しくなかった(ADP雇用統計は事前予想を下回る+17.7万人/新規失業保険申請件数は2週連続の増加/ISM非製造業景況指数は総合指数こそ前月から上昇したものの、雇用指数は前月より-0.5ポイント)だけに、ある意味で当然といえるかもしれません。一方で「期待値が高くない」以上、「失望リスクは低い」と考えることが可能です。失業率も「完全雇用に近い」とあっては、やはり注目されるのは「平均時給」ということになりそうです。これに弾みがつけば「さらなるドル買い」が期待される反面、低下すれば「ドル売りが先行」という展開が想定されるところです。

 テクニカルを見ると“17/11/6高値(114.733円)~18/5/21高値(111.393円)”を結ぶラインを上辺、“18/3/23安値(104.632円)~18/5/29安値(108.108円)”を結ぶラインを下辺とする「三角保ち合い」が窺えます。「上値が重く、しかしながら下値も堅い」といった様相も、これを見れば「ある意味で当然」といえるかもしれません。

 ただし詳細に見ると、先月29日に「一度上抜け」、その後に「押し戻された」という経緯を持っています。さらに現在は「ジリジリと値を戻し」、概ね“上辺ライン(110.60円水準)”で推移しています。これに前記雇用統計での見方を重ねれば、「好内容⇒ドル買い⇒上抜け」という図式が成り立つことになります。一方で「悪化⇒ドル売り」となったとしても、“下辺ライン(110.10円水準)”まではまだ値幅があります。その手前に“200日移動平均線(本日は110.152円)”も展開しているとあっては、「明確に割り込まない限り、押し目買い」といった図式を描くことも可能です。

 「あとは結果次第」という面を考えれば、「決め打ちは禁物」といわざるを得ないところがあります。また「まだレンジ内での推移」と考えれば、「ドル売り/ドル買いどちらからも入ることが可能(どちらでも取れる?)」ということにもなるのでしょうが、「上方向(ドル買い)の可能性が高い」「押したところを買い拾う」に分があると見ますが、果たして…?


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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