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第522回 次なる懸念は“日米通商協議”だが…?

2018年08月03日

 今週のドル円は、111円台を中心に大きく揺れ動きました。まず注目の日銀金融政策決定会合では「ETF購入比率変更」で“柔軟化”が行われるとともに、「フォワードガイダンス導入」にて“緩和策の長期化”が示唆されました。その後に行われた黒田日銀総裁の記者会見では「0.2%程度までの本邦10年債利回り(長期金利)上昇を容認」が示されたものの、マーケットは“緩和策の長期化”を囃した円売りが優勢となりました。

 一方の米国(FOMC)は、政策金利こそ「据え置き」だったものの、声明では「景気判断が上方修正」されました。『9月利上げ』あるいは『年内あと2回(計4回)利上げ』の思惑を後押しするには十分な内容であり、“米金利先高観”がドル買いをけん引した印象があります。

 しかしながら上値を押さえ込んだのは、またしても“トランプ砲”でした。「トランプ大統領は2000億ドル相当の中国製品に対する関税賦課を10%⇒25%で検討」との報道は、再び“米中貿易戦争懸念”を再燃させています。昨日は“リスク回避⇒ユーロ売り”につながったことでドル円に大きな影響は出ていませんが、上値に重く圧し掛かっているのが実状です。

 日米(実は英も…)の金融政策を終えたことで、マーケットは次なるテーマを探していると見るのが自然です。注目となるのは“日銀緩和策長期化”“米中貿易戦争懸念”、そして来週9日から始まる“日米通商協議”辺りと見られますが、特に“日米通商協議”に関しては「先立って観測記事/憶測コメント」が飛び出すことが常です。仮に「ドル円の水準感」「日銀金融政策への批判的なコメント」等が跳び出すようなことでもあれば“ネガティブ”と捉えられる可能性がありますので、注意が必要です。

 もっとも「利上げの確率(織り込み具合)」を見ると、金利先物ではすでに『9月利上げ=ほぼ100%』『年内あと2回利上げ=70%超』へ上昇中。これを打ち消すほどの“ネガティブ”というのは…?

 引き続き“上値は重い”“神経質な展開が続く”と想定されますが、それでも“大きく崩れるは期待薄”“押したところは買い拾い”と見て、来週のマーケットに向き合いたいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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