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第524回 『イメージは下方向』は続くが、ひとまず「円安けん制」は蚊帳の外…!?

2018年08月17日

 「日米通商協議懸念」が落ち着いたかと思えば、今度は「EU離脱(Brexit)懸念」、さらに「トルコリラ懸念」が台頭しました。特に「トルコリラ懸念」の影響は大きく、マーケットは“リスク回避一色”に包まれました。トルコリラが暴落を見せる中、“リスク回避⇒円買い”に引っ張られたクロス円通貨は軒並み下落しました。

 一方で現在のリスク回避姿勢は“円買い”のみならず、“ドル買い”の側面も持っています。このため“トルコリラ懸念⇒欧州金融機関に伝搬⇒ユーロ売り”を背景にユーロドルが1.13ドル割れ寸前まで突っ込むなという後押しもありましたが、『イメージは下方向』が増したにもかかわらず、ドル円が大きく崩れることはありませんでした。ただこれはいいことばかりではなく、“リスク回避姿勢緩和⇒円売り戻し”が優勢となっている現在においては、逆に“ドル売り戻し”となって“上値を押さえる要因”にもなっています。

 こうして111円台を回復(16日)する場面こそ見られたものの、維持し続けることは叶わなかったドル円は「リスク回避とその巻き戻し」が日替わりメニューで揺れ動く中、「上値が重く、しかし下値も堅い」を強いられ続けています。

 ただ来週に関しては、筆者の期待に反して“下値圧力優勢でスタート”となる可能性が高まりつつあるように見えます。「トルコリラ懸念」には“犠牲祭(21-24日、20日も前夜ということでほぼ1週間全てが祝日)に伴う流動性急低下懸念”が、そして「米中貿易戦争懸念」には“米中次官級通商協議(22-23日)を巡る不透明感”がついて回ると見られるからです。ただそれで「ドル円は崩れるか?」と問われれば、“???”…。

 怖いのは「トランプ砲(ドル高けん制、あるいは円安けん制)」ですが、昨日(16日)には「資金はドルに流入しつつある、これまで見られなかった現象だ」とツイートしています。これは「強いドルは米国経済への信頼の表れ(クドロー米国家経済会議委員長」」と共に“ドル高容認”とも取れる意向といえます。…なれば、日米通商協議が先送り(9月?)されたことで、「ドル高・円安けん制はひとまず蚊帳の外」。リスク回避に再びよることがあっても「円買い・ドル買いが下値を支える」、つまり「大きく崩れるは期待薄」と考えることは可能ということになります。

 『イメージは下方向』は続いていますが、「レンジ内での揺れ動き」を意識しつつも、「(ドル円に関しては)押す局面があれば、しっかり買い拾い」と見たいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。

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