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第542回 パニックは収まった…? - 楽観は禁物も、過度な悲観論は“逆に足枷”…!?

2018年12月28日

 “底割れ”を背景にした下値追いは、今週も続きました。流動性の乏しさも相俟った25日には、一時110円の大台割れ寸前まで売り込まれています。翌26日には“過去最大の上げ幅(1086ドル高)”を伴うNYダウ急騰を背景にドル円は“111.40円水準”へと買い戻されましたが、“12/13~12/25の38.2%戻し(111.402円)”を明確に上回ることはかないませんでした。
 「米政府機関の一部閉鎖」「パウエルFRB議長解任を巡る報道」、さらには「米中関係悪化への思惑」…。直近の急落には複数の要因が絡んでいますので、一つや二つが巻き戻されても、その他の要因にて押し下げられているのが実状です。このため“上値の重さ”は相変わらずであり、まだ“下げ止まった”とはいいづらいところがあります。

 ただし“歴史的な急騰の反動”+“米中関係悪化が再燃”が重なった27日も、NYダウは一時600ドル超の下落を見せたものの、引け前のわずか1時間で“800ドル超の上昇(600ドル安⇒260ドル高)”という「逆転満塁ホームラン」を演じました。荒い動きは続いていますが、最も警戒すべき“パニック”は収まりつつあると見ることは可能です。

 「米利上げ観測後退(一部では打ち止め観測も…)」「トランプ大統領の政権運営能力に疑問」との懸念等、まだまだセンチメント改善には程遠いといわざるを得ないところがあるのは事実です。このため流動性がさらに低下する来週は、再び“下値追い”が懸念されるのも事実といわざるを得ません。ただし肝心のリスク回避姿勢も、“パニック”さえ収まれば“全ての材料をなぎ倒す破壊力”という状況ではなくなります。

 終値ベースで“200日移動平均線(本日は111.029円)”を維持できるかはまだ微妙といわざるを得ませんが、懸念される“110円の大台割れ”になったとしても、すぐ下には“週足・一目均衡表先行スパン上限(同109.683円)/月足・一目均衡表先行スパン上限(同109.546円)”が控えています。またその間には、“3/23~10/4の50%押し(109.590円)”も存在しています。

 反発しても「上値は重い」「ポジション調整の範囲内」とされる可能性はまだ高そうに思いますが、過度な悲観論は“逆に足枷”と考えて、新しい年に備えたいところです。


※2018年の本コラムは本日が最終更新となります。新年は米雇用統計が発表される1月4日(金)の更新を予定していますので、来年もよろしくお願いいたします。それでは皆様、良いお年をお迎えください。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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