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第547回 まさかの“ハト派寄り” - それでも「下値が堅い」は変わらない…!?

2019年02月01日

 「緩やかな追加利上げが適切」部分の文言削除や「今後の利上げは忍耐強く」との慎重姿勢は“想定の範囲内”でしたが、まさか「(バランスシート縮小は)経済・金融情勢で調整する用意あり」「当初予測よりもバランスシート縮小は早期に停止」とパウエル議長が明言するとは…。

英下院の再採決/米中通商協議の先送りは“ある意味、想定通り”でしたが、正直、FOMCは“かなりの想定外”でした。このため期待した「知ったら終い」は発動せず、「金利面のドル売り」を背景に「109円レンジを下にブレイク」しました。

「膠着⇒ブレイク」は、その方向に大きく振れるのがマーケットの常です。しかしながら断続的に設定されていると見られた“109円より下ストップロスオーダー”は、現時点で大きく絡んだようには見えません。「株式にはポジティブ」という側面もありますが“リスク回避姿勢(円買い)”は盛り上がっていませんので、現時点では「やや切り下げた」ものの「上値重いが、下値も堅い」は継続していると考えるのが自然でもあります。

一見すると「ハト派(米金利先高観後退)」というのは、重石になりそうな要因といえます。しかしまだ「利上げ休止⇒利下げ」へと傾斜したわけではなく、仮に傾斜したとしても「必ずドル売りにつながる」といったものでもありません。事実、2006年の「利上げ休止」時の動意を見ると、「利下げまでのタイムラグ(およそ1年)」にかけてのドル円推移は「ドル売りではなく、ドル買い(108円⇒124円)」でした。もちろんマーケット環境は同じではありませんので「一概にはいえません」が、少なくとも「悲観する必要はない」と考えることも可能です。

こうした中、今回の米雇用統計は行われます。「(FOMCが)ハト派に振れた」直後であるだけに、「ネガティブ(下振れ)に反応しやすい」への意識が高まり易いと見られますが、ただし先日発表された前哨戦(ADP雇用統計)は「民間雇用はなおも堅調(+21.3万人)」が示されたばかりです。FOMCでも「雇用は堅調」は維持される中、「イメージは下方向」が台頭している状況でもあります。つまり「巻き戻すキッカケになる」と考えるのは何も荒唐無稽といった類の話ではなさそうです。

もちろん「結果次第」である点は外せませんが、「巻き戻すキッカケになる」という可能性を鑑みたいところです。そして注目度が低いといわれて久しい米雇用統計ですが、「(少なくとも)今回の注目度は高い」と見て、発表の時を迎えたいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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