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第565回 「利下げなし」というシナリオを、あまりにも軽視し過ぎ…!?

2019年06月14日

 注目の米雇用統計を経て、「米利下げ観測」はさらに強まった印象があります。さらに「香港・大規模デモ」「ホルムズ海峡・タンカー炎上」等も重なり、上値に重く圧し掛かっているのが実状です。一方で懸念された「メキシコ関税は発動見送り」、前記「米利下げ観測」は「堅調な株価動向」をもたらしており、下値を支えています。こうして“大きく崩れる”には至っておらず、現在は“108円前半から半ばでの膠着”を強いられている状況といえます。

“双方の綱引き”という状況ですので、「方向感定まらず」は致し方ないところかもしれません。ただ来週18-19日は「FOMC(米連邦公開市場委員会)」が行われますので、“波乱含み”といった展開を想定せざるを得ないところでもあります。

金利先物市場では、6月利下げこそまだ“30%程度”ですが、7月まで広げると“80%強”、年内2回以上に関してはすでに“90%近く”を織り込んでしまっており、マーケットイメージは「米利下げ」へと傾斜しているのが実状です。“催促相場”の様相も見せつつもありますが、ただアトランタ連銀が試算するGDP NOWの米4-6月GDP予測は“+1.4%”に留まっています。確かに“鈍化”は想定されてはいますが、それのみで“景気減速が顕在化”というには、やはり飛躍し過ぎの印象が拭えません。事実、UBSやゴールドマンサックスは、現時点においても「利下げはない(このまま据え置き)」との見方を示しています。

そう考えると、ここからさらに「米利下げ」を織り込みにかかるのは“無理がある(織り込み過ぎ)”と見るのが自然であり、利下げが行われなかった場合を考えれば“リスクは上方向”ということにもなってきます。

もちろん「米中懸念」という不透明要素を抱えていますので、“底打ち⇒反発”と見るのはいささか早計です。それでも「イメージは下方向」へ傾斜している分、「ポジションもすでに下方向」へと傾いている可能性は高く、そうなると「ストップロスは絡みづらい」とも考えられます。

「マーケットが掲げるイメージ」に逆らう格好になりますが、「上値は重いが、それ以上に下値が堅い」、場合によっては「巻き戻しが先行」という展開まで期待して、“波乱含み”の来週に備えたいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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