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第568回 “ネガティブ”な2パターンにはなりにくい…!? - 米雇用統計

2019年07月05日

 注目の「米中首脳会談(一旦停戦・関税発動は先送り)」、サプライズの「米朝電撃会談」を経て、マーケットは“リスク選好”へと傾きました。ただ前者は“越えるべきハードル(知的財産権・5G覇権問題等)”をいくつも抱え、後者に関しては“実務者協議再開”が決まっただけというのが実状です。このため“下値が堅い”は見えますが、“リスク選好一辺倒”には傾斜し切れていないのも事実です。

 一方で、マーケットテーマは「米利下げ観測」へと回帰した印象があります。そして金利先物は「米7月利下げを“100%(25bp:71.3%、50bp:28.7%)”」織り込んでいることから、“金利面でのドル売り”が重く圧し掛かっています。しかし『予防的な利下げを検討中(パウエル議長)』『次回FOMCで50bpの利下げは不要(ブラード・セントルイス連銀総裁)』が流れる中での当該織り込み具合は、やはり“往き過ぎ(織り込み過ぎ)”との見方を燻らせています。

 こうして“上値重いが、下値も堅い”を地で往く中、本日の「米雇用統計」は行われます。「非農業部門雇用者数(NFP:+16.0万人)/失業率(3.6%)/平均時給(前月比:+0.3%/前年同月比:+3.2%)」ですので、まずはここからの“乖離具合”が注目されるところです。

 ただし前回が弱かった(NFP:+7.5万人)だけに、今回はその“反動調整”が期待されるところです。つまり「極端に悪い」は、ちょっと“想定しづらい”ところがあります。だからといって「極端にいい」というもの、“飛躍し過ぎ”と考えるのが自然です。そうなると今回の米雇用統計は、「予想通り」を挟んで「やや強い」もしくは「やや弱い」になりやすいと見るのが自然ということになります。

 現在のドル円にとって“最もネガティブ”となりやすいのは、前者の2つと見られます。「極端にいい」は“米利下げ観測⇒ドル売り”を後退させる反面、最も警戒すべき“リスク回避⇒円買い”を招きやすいと考えられるからです。一方で「極端に悪い」ともなれば、“米利下げ観測増大⇒株高”というよりは、“2回連続”を背景にした“米景気悪化懸念⇒株安”が“リスク回避⇒円買い”へ波及しかねない危険性を孕んでいるからです。つまりこの2つの結果になる可能性が低いというのは、結果的に“ポジティブ”となりやすい…?

 もちろん「イメージは下方向」も変わることはないと見られるだけに、楽観はできません。しかし「織り込み済(織り込み過ぎ)」を無視し、「下振れリスク」にばかり気を取られていると…?あくまで「結果次第」ですが、「手痛いしっぺ返し」を食らう可能性には、十分に注意して置く必要がありそうです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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