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第571回 “巻き戻し”は着々と進行中…!? - 「テクニカルの要所」に向けて…

2019年07月26日

 米ブラックアウト(金融政策に関する発言を禁止)期間に突入した後、過度に織り込まれてきた「米大幅利下げ観測」は“さらに巻き戻された”印象があります。特にECB理事会&ドラギECB総裁・記者会見を経て、勢いはさらに増した感もあります。

 ECB理事会そのものは、大方の想定通り「政策金利を据え置き」「フォワードガイダンスを修正(少なくとも2020年前半まで現行もしくは“それ以下”の金利水準を必要な限り継続)」でした。しかしその後のドラギECB総裁・記者会見で『今回は利下げを議論しなかった』『次回(9月)会合時のスタッフ金利見通しを確認後、最適な判断を下す』との発言が跳び出したことは、こちらも過度に織り込まれつつあった「欧利下げ期待」を後退させるには十分でした。

 「欧利下げ期待」の後退は、株式にとっては“ネガティブ”となります。欧州株は下落に転じ、米国株もこれに引っ張られていきました。しかしながら現在のマーケットは「金利見通し」へと関心が向いていることもあり、株安を背景にした“リスク回避姿勢(円買い)”は特に目立つことはありませんでした。

 一方、この発言は国債利回りにとっては“ポジティブ”であり、欧州国債利回りは上昇、つれて米国債利回りも上昇していきました。マーケットはこれに反応し、ユーロドルでは“ドル売り”が先行したものの、全体的には“金利主導のドル買い戻し”が次第に顕著となっていき、ドル円は“108.750円”へとさらに上値を伸ばしています。

 本日は「米4-6月GDP」が予定されていますが、前回(1-3月:+3.1%)を大きく下回る“+1.8%”が想定されています。しかし構成項目の「個人消費」は力強い伸びが見込まれており、事前予想を上回る可能性はゼロではありません。このため“もう一段の巻き戻し”も期待されますが、逆に下回るようなことがあれば「米大幅利下げ観測(7月50bp利下げ)」が再燃してもおかしくないだけに、諸刃の剣です。もう一つ、109円手前には「テクニカル的な要所《ダブルボトムのネックライン(7/10高値:108.988円)》」も控えています。こちらも突破できれば“もう一段の巻き戻し”が期待されますが、越えきれないとなると…?

 金利先物で見た「7月50bp利下げ」の織り込み度は、わずかに“21.4%(本稿執筆時)”です。これを覆すのは容易ではなく、「25bp利下げ(79.6%)」でほぼ決まりと見るのが自然です。そうなると“もう一段の巻き戻し”“少なくとも底堅い”といった展開が期待されますが、前記関門が待ち構えています。突破するのは「もう少し先(本日ではない)」と見ておくべきかもしれませんね。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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