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第572回 米雇用時計は「別の意味」で要注目 ‐ 「テクニカルの要所」を明確に割り込めるか…?

2019年08月02日

 注目のFOMCは、2008年12月以来の「利下げ(25bp)」を敢行しました。また「適切に行動する」との声明文言を残し、予定を早めて「バランスシート縮小も終了」しました。いずれも「年内追加利下げ」に含みを残した格好といえます。

 一方で「反対票が2票」あったことが明らかにされており、パウエルFRB議長は『利下げサイクル入りではない』と記者会見で述べました。校舎に関しては『一度きりの利下げとはいっていない』とも述べていますが、マーケットはこれを“タカ派寄り(追加利下げの示唆なし)”と捉えたことで、「過度な利下げ期待」はさらに巻き戻されていきました。

 あぁ、それなのに…。「株価にはネガティブ」が上値を押さえる中、「弱めの米経済指標」が重なったこともありましたが、ダメを押したのは『対中関税第4弾を9/1に発動』とのトランプ大統領発言(ツイート)です。無警戒だったマーケットは“パニック”を起こし、米10年国債利回りを“急低下(2.05%⇒1.87%)”、NYダウも“続落(△330ドル超⇒△280ドル超)”する中、ドル円は“急落(109.30円⇒107.200円)”を演じています。

 本日に入って“107円割れ”へとさらに売り込まれているように、「リスク回避⇒円買い」が流れを一変させた格好といえます。ただ「リスク回避」というのは、「全てをなぎ倒す破壊力」を秘めているものの、「いつ飛び出すかわからない」といった類のリスクになります。さらに「継続性」に関しても、疑問が残るのはいうまでもあります。“パニック”を起こして急落した昨日の動きばかりを背景に、「イメージは下方向」を再燃させるというのは…?

 「米10年債利回り急低下⇒米利下げ観測再燃」を根拠にする向きもありますが、FOMCで発せられたメッセージは「今後の金融政策は米経済指標次第」と考えるのが自然です。しかしながら「イメージは下方向」を再燃させるほど、そもそも米経済指標の悪化はあったのか…?そういう意味では“無風通過”が囁かれている(いた?)本日の米雇用統計が、試金石といえるかもしれません。

 事前予想は「非農業部門雇用者数(NFP:+16.4万人)/失業率(3.7%)/平均時給(前月比:+0.2%/前年同月比:+3.1%)」ですので、まずはここからの“乖離具合”が注目されますが、それ以上に「テクニカルの要所(6/25安値:106.774円)」を明確に割り込むことができるのか…?できれば“さらなる下値追い”となる可能性が高いものの、そうでなければ「仕掛けたが割り切れなかった」、つまり「ダマシ」と捉えられる可能性は、頭の片隅に残しておきたいところです。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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