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第576回 どちらに転んでも「大きくは下がらない」…!?

2019年08月30日

 『米製品(750億ドル相当)に報復関税を発動(中国)』
 『直ちに追加関税を引き上げ(米国)』

 「米中懸念」という名の“リスク回避姿勢”が、またしてもマーケットを席巻しました。“リスク回避⇒円全面高”に包まれました週初(26日)には、ドル円は“年初来安値更新(104.444円)”へ急落しています。一方で「日米金利格差」を背景とした“ドル押し目買い”+往き過ぎを懸念した“円売り戻し”が入ったことで、すぐに“105円台”には押し戻されました。そして「通商交渉再開に前向き」との姿勢を米中共に示したことで、本稿執筆時には“106円台”での推移となっています。

 もっとも懸念そのものが払拭されたわけではなく、マーケットは“疑心暗鬼”の様相を示しているに過ぎません。このため“過度のリスク回避”こそ緩和したものの、“リスク選好”には傾斜しているわけではなく、現時点では“あくまでも巻き戻しの一環”の域を出ていないのが実状といえます。

 このまま行けば、いよいよ今週末(9/1)には「対中関税第4弾」が発動します。『発動か?』『土壇場で回避(先送り)か?』は成り行きを見守る必要がありますが、現時点の大勢は“前者(発動)”となります。これが“上値が重い”をけん引し、“戻り売り”を促しているわけですが、ただしマーケットは「ある程度織り込んだ」と見ることは可能です。そうなると「ドル売りは限定的」となる可能性は高く、「知ったら終い(材料出尽くし)」と捉えられる可能性も否めません。

 劣勢の“後者(回避or先送り)”が選ばれる可能性も、ゼロというわけではありません。なぜならば後者を選べば、トランプ大統領が渇望する「米景気刺激策」が手っ取り早く手に入るからです。もちろん「ドル高に振れる」というデメリットもありますので、一概にいえませんが、仮にこちらが選ばれれば「急反発(107.50円~108円付近?)」も期待されることになります。

 後は結果次第ということなりますが、すでに「イメージは下方向」に傾斜しています。「急反発」につながるかは別にしても、どちらに転んでも「大きくは下がらない」への期待は募るところです。もちろん過度の期待は、やはり禁物となりますが…。


※当コラムは毎週金曜日の更新です(金曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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