◆ 「早期の米テーパリング観測」浮上せず… - 米CPI
注目の「米5月CPI」は、事前予想を上回る“前年比:+5.0%(2008年8月以来)/同コア:+3.8%(1992年6月以来)”となりました。
ただ「早期の米テーパリング観測」が浮上することはなく、“1.53%”へ上昇していた「米10年国債利回り」は“1.43%”へと低下しました。
このため幅広い通貨に対して“ドル売り”が進行する格好となり、“109.794円”へと上値を伸ばしていたドル円は“109.297円”へと反落しています。
「早期の米テーパリング観測」が浮上しなかったのは、『(コロナ禍による)インフレ押し下げのピークアウトは昨年5月』との認識が挙げられます。
これが『6月以降は押し上げ圧力も低下』への思惑となり、『インフレ上昇は一時的』とのFRB見解も維持されるとの見方につながったと考えられるからです。
◆ それでも“円買い”は加速しない…?
ただ『テーパリングに最も遠いのは日本(円)』との認識は、依然として残っています。
さらに本日より「G7首脳会議」が開催されますので、「米テーパリング(FOMC:15-16日)」への意識は緩むと見るのが自然です。
そうなると仮に“ドル売り”が台頭したとしても、“円買い”は加速しないと見るのが妥当…?
さらに“円売り”の台頭から、下値が支えられるという可能性も…?
昨日の「上昇→急反落」に対する“反動(ポジション調整)”も、本日は期待されるところです。
「動きづらい」が否めないところではありますが、やはり目先は「押し目買い」で臨みたいところです。
◆ ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:110.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:109.895(6/4~6/7の61.8%戻し)
上値3:109.794(6/10高値、日足・一目均衡表転換線、月足・一目均衡表先行スパン下限、+1σ、6/4~6/7の50%戻し水準)
上値2:109.641(ピボット1stレジスタンス、6/10高値後の61.8%戻し)
上値1:109.546(6/10高値後の50%戻し)
前営業日終値:109.318(日足・一目均衡表基準線、20日移動平均線、100月移動平均線)
下値1:109.193(6/7-9安値)
下値2:109.110(50日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:109.036(5/27安値、日足・一目均衡表先行スパン上限、50月移動平均線、ピボット2ndサポート、大台)
下値4:108.882(200週移動平均線、週足・一目均衡表転換線、-1σ、4/23~6/4の50%押し)
下値5:108.722(5/26安値)
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プロフィール
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武市佳史(たけちよしふみ)
大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。
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