「新型コロナの変異株(オミクロン株)」への懸念は、依然として続いています。
このため何度となく持ち直す場面こそ見られるものの、上値は重く、ドル円は軟調推移を強いられているのが実状といえます。
なお注目の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が“前月・事前予想を大きく下回った(+21.0万人)”ものの、失業率は“低下(4.2%)”、労働参加率は“上昇(61.8%)”という“強弱入り混じり”となったこともあり、大きな影響には至りませんでした。
この米雇用統計の結果を受けて、マーケットは「テーパリング早期終了(ペースアップ)」に向けて織り込み始めたと見るのが自然です。
少なくとも「協議に向けて動き出す」は織り込んだ可能性は高そうですので、今後は“金利選好→ドル買い”が期待される局面といえます。
一方で『16州でオミクロン株感染確認』と報じられるように、米国内でも「新型コロナ感染」は進行しています。
そうなると「利上げ時期の前倒し」を織り込むには時期尚早といわざるを得ず、前記期待が大きければ“巻き戻し(ドル売り)”、少なくとも“リスク回避→円買い”が促されてもおかしくないということになります。
つまり“金利/リスク”の双方からの影響にて、目先は“上を下への乱高下”となる可能性を秘めているといえます。
すでに「ブラックアウト期間」に入っていますので、米金融政策に関する思惑は“低下しがち”と見るのが自然です。
一方で「コロナ感染」に関しては“先行き不透明”といわざるを得ませんので、“どちらに転ぶかはわからない”ということになります。
そうなると、基本は“膠着”であるものの、流動性低下から“振れやすい”と見るのが、こちらも妥当ということになります。
中長期的に“ドル買い+円売り”が促されやすい状況ですので“崩れる”とは思いませんが、今週に関しては“上値の重さ”を覚悟しておくべき時間帯なのかもしれませんね。