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YEN蔵の外国為替見聞録

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シリアへの軍事侵攻による下落は短期的に底打ちか

2019年10月11日

トルコ軍は9日シリア北東部のクルド人勢力に軍事行動を始めました。トルコの軍事行動にはトルコが敵対するYPG(クルド人民兵組織の人民防衛部隊)をトルコ国境から押し込むことと、シリア領内に安全地帯を設定して安全地帯にシリア難民を移住させることを目的としています。
トランプ大統領は6日にトルコの軍事作戦には関与しない方針としシリア北東部からの撤退を表明したことでトルコの軍事行動の道を開いてしまいました。
このことで共和党の幹部のミッチ・マコネル上院院内総務や、リンジー・グレアム上院議員などトランプ大統領の支持者達からも「シリアからの米軍の撤退は時期尚早でロシア、イラン、アサド政権に恩恵を与える」との批判がでています。
米国防総省、国務省もトルコの軍事行動を支持しないと発表、トランプ大統領もトルコの行き過ぎには牽制しています。
今後この地域がどこまで不安定化するかがポイントになりますが、米軍が全面撤退となればトルコが勢力を拡大するとともに、この地域が不安定化し更なる難民が発生することが懸念されます。
米国の撤退によりロシアを後ろ盾とするアサド政権が勢力を拡大する可能性もあり、トルコの軍事行動がどこまで進み、この地域の不安定化がどこで止まるのかが今後のポイントになります。
ただ現状ではトランプ大統領とエルドアン大統領の間では何らかの合意が得られているようで、トランプ大統領がトルコを重要な貿易相手国と称賛し、11月13日にエルドアン大統領が訪米することからもうかがえ米国との更なる関係悪化懸念は遠のいています。

9月12日の金融政策決定会合でトルコ中銀は政策金利の1週間レポレートを3.25%引き下げ16.5%とする決定をしました。前回7月の4.25%の利下げとあわせて7.5%の大幅な利下げとなり市場予想の2.75%の利下げを上回りました。
しかし利下げ直後のドルトルコリラは1.5%ほど下落(リラの上昇)となり、これは事前のエルドアン大統領などからの利下げ圧力もあり一部には5~6%の大幅利下げ予想もあり利下げを織り込んでいた可能性もあります。
7月31日の四半期インフレ報告では年末までに13.9%に低下するとの見方を示していますが、6月のインフレ率15.72%、8月のインフレ率15.01%とインフレ率は低下していますが、2回合連続での7.5%の利下げはややペースが速いとの印象を受けます。
7月のインフレ報告では12ヶ月先もインフレ率を9.5%、2020年末のインフレ率を8.2%と予想しており金融緩和のスタンスは継続されるものと思われます。
金融緩和によってトルコ経済にはサポート材料になりますが、景気回復が本格化した場合は貿易収支が悪化し、また財政政策の拡大で経常収支が悪化する可能性があります。
10月24日のトルコ中銀の金融政策発表で利下げが予想されますが、今回のシリアに対する侵攻による地政学的リスクと景気回復の狭間の中で金融政策に対する期待が高まっていますが難しい舵取りになりそうです。
今回の軍事行動が限定的で収束し、トルコのインフレ率の低下、金融緩和による経済の刺激策が行き過ぎなければ短期的にはトルコリラの下値サポートする材料になります。
しかし中期的な下落トレンドは継続中であるとともに、エルドアン大統領とトルコ中銀の舵取りしだいでは再び下落トレンドに戻る可能性もあります。

TRY/JPY 一時間足BIDチャート


チャートはトルコリラ円の時間足です。トルコの軍事侵攻を受けてサポートされていた18.60付近を下抜けして18.169円まで下落しました。
短期のRSIは20%付近まで低下しており、本日のリスク選好の動きを受けて18.53円まで反発しました。
RSIが低い位置まできていたこと、日足一目均衡表の雲の上限が18.24付近に位置していたこともあり、そのレベルがサポートレベルとして意識されます。
短期的なサポートは上昇前のレジスタンスとなっていた18.34付近。ここが維持できれば前回安値の18.55付近のレジスタンスを試しにいくものと思われます。
このレベルが抜けられないと18.16~18.55のレンジが想定されます。
18.55付近を上抜けできれば20日移動平均線の18.67、60日移動平均線の18.76、下落前の戻り高値の18.88付近が意識されます。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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