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YEN蔵の外国為替見聞録

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大幅な利下げがリラの上昇を抑制するのか?

2019年10月25日

17日にエルドアン・トルコ大統領はペンス米副大統領と会談しシリア北部の軍事作戦を120時間停止することに合意しました。この合意によって1ドル=5.94リラ、1リラ=18.20円まで下落していたトルコリラは上昇しました。
そし23日にはトランプ大統領がトルコはシリア北部の停戦を恒久化する方針を示したとして同国に対する制裁を解除すると表明しました。
トルコが侵攻したことで開始され制裁は解除されることになり、一時1ドル=5.86リラ、1リラ=18.50円付近まで下落していたトルコリラは1ドル=5.7260リラ、1リラ=18.96円まで上昇しました。

トルコ中央銀行は24日に政策金利の1週間物レポレートを2.5%引き下げ14%とすることを決定しました・トルコは1週間物レポレートを中心に翌日物借入金利を下限に、翌日物貸出金利を上限に金融政策を行っています。翌日物借入金利は15→12.5%、翌日貸出金利を18→15.5%に引き下げました。
ここのところトルコの消費者物価指数は急速に低下し5月18.71%、6月15.72%、7月16.65%、8月15.01%、9月9.26%に低下。生産者物価指数も5月2.67%、6月0.09%、7月-0.09%、8月-0.59%、9月0.13とこちらも低下傾向となっています。

物価の低下が鮮明になっていることでトルコ中央銀行の金融緩和は正当化されるのですが、7月に4.25%、9月に3.25%引き下げ2会合で7.25%と大きく利下げをしていたために、今回の利下げも小幅に留まると予想されていたなかでの2.5%の利下げはややサプライズとなりました。
トルコがシリアでの恒久的な停戦に合意したことで、トルコリラが堅調に推移していたことも金融緩和の余地を生みました。
エルドアン・トルコ大統領はトルコ中銀の利下げを受けて、主要政策金利が1ケタ台になればインフレ率は一段と低下するとテレビのインタビューで語りました。また中央銀行の独立性に関しては、どのような政策手段をとるかは別として、政府が経済に責任を負っていることをあげ目的の独立性は認められないと語りました。

予想を上回る利下げを受けてドルトルコリラは23日の安値1ドル=5.725リラから5.78リラ付近までドル買いリラ売りとなった後に5.76リラ付近で推移しています。

TRY/JPY 日足BIDチャート



TRY/JPY 1時間足BIDチャート

チャートはトルコリラ円の日足と時間足です。
トルコリラ円も23日の高値1リラ=18.949円から18.764円まで下落しました。上昇前にレジスタンスとなっていた18.75円付近が短期的なサポートとなり、ここを下抜けすると日足一目均衡表の基準線が18.662、転換線18.576、雲の上限が18.41に位置しています。上昇前の安値が18.469付近だったことを考える18.46、18.41付近が重要なサポートレベルと思われます。
また上値の目処としては10月1日の高値19.154、8月13日の高値19.21付近が意識されます。
ただ予想を上回る利下げによって19円付近がレジスタンスになっており、18.75付近のサポートを下抜けした場合は18.40~60のゾーンに試しに行く局面もありそうです。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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