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YEN蔵の外国為替見聞録

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南アフリカの金融政策

2019年11月29日

SARB(南アフリカ準備銀行)は11月21日の金融政策委員会で予想通り政策金利を6.5%に据え置きました。
ここのところSARBは経済、物価情勢を踏まえて緩和的なスタンスで追加緩和の姿勢を示しています。経済情勢を見ると9月3日に発表された第2四半期のGDPは前期比3.1%と前回の-3.1%から上昇、前年比も0%から0.9%に上昇しました。直近はやや回復していますがそれでも1%程度の低成長です。
また11月20日に発表された10月の消費者物価指数は前月比0%と前月の0.3%から低下、前年比3.7%と前月の4.1%から低下し予想を下回りました。消費者物価指数は年初の4.5%から低下しています。

このように弱い経済成長率、インフレ率の低下という材料によってSARBは金融緩和のスタンスを継続しています。
11月21日の委員会では5名中2名の委員は0.25%の緩和を主張し、委員会内の意見は割れました。
委員会が割れた原因は為替レートに対する影響であった可能性もあります。
10月29日に発表された中期財政政策(MTBPS)は期待を裏切るものでした。財務省は2020年3月までの財政赤字はGDP比で5.9%に達する見通しを示しました。これは従来の4.5%を大きく上回ります。
これは2009~10年度以来の高水準となり、2020~21年度の見通しも6.5%に上昇するというものです。

また公的債務の対GDP比率は2022~23年度に71.3%と今年度の推計の60.8%から上昇する見通しになりました。
また今年の経済成長見通しを0.5%としこれまでの1.5%から下方修正されました。
(中期財政政策に関しては10月31日のコラムから抜粋)

この中期財政計画は期待を裏切るもので、格付け会社ムーディーズも11月1日の格付見通しで見通しを安定的からネガティブに引き下げました。
財政状況が悪化し南アフリカの信用力が低下すると資金が海外に逃避する可能性があり、利下げはランドの下落に拍車をかける可能性があります。
利下げ派は南アフリカの経済状況、インフレ状況を重視し、据え置き派はランドの下落の回避を重視したのかもしれません。

今後の金融史絵策を占う上で2月に発表される2020~2021年度の予算案が注目されます。予算案で財政赤字を縮小させる方向に向けた政策を打ち出せれば、SARBの金融緩和余地は生まれますが、国債の信用力の低下は避けられるためにランドのサポート材料になる可能性は高いと思われます。
一方で財政再建の方向性を示すことが出来ないと、国債の信用力の低下ランド下落の材料になる可能性があります。

新興国通貨 四本値とピボットポイント


ZAR/JPY 4時間足BIDチャート



チャートはランド円の4時間足です。
26日に7.33円がサポートされ、7.428円まで上昇しています。ドル円が堅調なことでランド円も高値圏まで上昇しており、22日の高値7.442円をうかがう展開になっています。
ここを上抜けすると11月8日の高値7.46円がターゲットになります。

一方で上昇後は7.391円が安値となり7.385円付近に一目均衡表の雲の上限があり短期のサポートレベルとなっています。
ここを下抜けすると一目の雲の下限7.343円付近がサポートレベルとして意識されます。
7.35付近のサポートを維持できないと11月20日の安値7.294円付近への下落が予想されます。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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