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YEN蔵の外国為替見聞録

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米中協議の第1段階合意でリスクオンとなり新興市場は堅調

2019年12月13日

今週はイベント満載の週となり、ここまでFOMCとECB理事会が終了しています。執筆時点の12日の夜の時点では英国選挙と15日の米国の対中関税発動が未定となっています。ただトランプ大統領が合意が近いとツイートするとともに米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)が15日の関税発動は無く、3600億ドル分の対中関税を50%カットすると交渉担当者からの話として報道したことによりリスク選好の動きとなっています。
トランプ大統領のツイートやWSJの報道を受けて新興国通過もドル売り新興国通貨買いの流れとなっていますが、今週ここまでの動きはトルコリラ、南アランド、メキシコペソではまちまちの動きとなっています。

トルコリラ、南アランドは週前半では売られる局面もありましたが、メキシコペソは週初から堅調な動きとなっています。
南アフリカランドは週初から売られ11日には一時1ドル=14.8690ランドまで下落しました。ランド円も7.304円まで下落し11月20日以来の安値をつけました。
電力会社エスコムが大雨や洪水の影響で電力量を削減すると発表したことが下落材料となりました。

12月2日に発表されたトルコの第3四半期GDPは前年比0.9%と予想のほぼ1%と一致しました。これは前回も書きましたが3日に発表された11月のトルコの消費者物価指数は10.56%となり前月の8.55%から上昇しましたが予想の11%は下回るものでした。
2018年はトルコリラの急落により輸入物価が上昇し消費者物価指数は2018年11月には一時21.6%まで上昇しましたが2019年10月は2016年12月以来の低水準に落ち着いていました。
インフレの低下傾向が鮮明になっていることと、アルバイラク財務相が「最近のリラ相場の安定と輸入の減少によってポジティブなインフレ見通しを維持できると」述べていたこともあり、12日のトルコ中央銀行の金利引き下げは予想されていました。

ただ利下げ幅は予想を上回るもので1週間物レポレートを14%から12%に引き下げ(予想12.5%)、翌日物貸出金利を15.5%から13.5%、翌日物借入金利を12.5%から10.5%に引き下げました。
政策金利引き下げ後の動きはトルコリラが買われ1ドル5.7743リラまで下落、その後は米中問題の進展によるリスク選好の動きで5.7652リラまでリラ高が進みました。
リラ円も政策決定後に18.802円まで上昇後に、米中協議進展を受けて18.913円まで上昇しました。


TRY/JPY 1時間足BIDチャート



チャートはトルコリラ円の時間足です。
18.65円付近がサポートされ、トルコ中央銀行の利下げを好感し、18.80まで上昇しレジスタンスになっていた18.74円付近を上抜けしました。
米中合意が伝わると上昇幅を広げて18.913円まで上昇しました。
しかしこのレベルは12月5日の高値18.93円、12月2日の高値19.083円~12月10日の安値18.643円のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の18.915円などのレジスタンスが位置しています。
RSIも80%を超えており短期的にはおさえられそうなレベルです。

しかし米中問題の第1段階通貨は好材料なので更なる上昇は期待できます。38.2%戻しの18.81、上昇前のレジスタンスである18.78円付近がサポートできれば、12月5日の高値18.93円を試しにいくと思われます。ここが上抜け出来ないと18.78~18.93のレンジ、上抜けできれば19円付近が上昇のターゲットと見ています。

レート等は執筆時の13日am5時近辺。予想は時間足を元に短期(1~3日)の予想とします

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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