新興国市場だけではありませんがFOMCが行われた6月10日以降にドルの方向性が変化しました。ドルの強さを示すドルインデックスは6月10日に95.72の安値まで下落してその後は6月22日に97.74まで上昇し96~98のレンジで推移しています。
5月の中旬から下落しリスク選好の流れになりましたが、その後もみ合いに入っています。新興国通貨も6月初めまでドルが下落し新興国通貨が上昇しましたが、そこから反転して上昇し高値圏で推移しています。
新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラの材料と予測】
昨日のトルコ中央銀行の政策金利発表では0.25~0.5%の利下げの事前予想に反して政策金利の1週間物レポレートは8.25%に据え置かれました。
トルコ統計局が発表した5月の消費者物価指数は前年比11.39%と予想を上回っており。景気が減速しているにもかかわらずインフレが進行しています。
トルコ中央銀行はコアインフレ指標のトレンドがやや加速したと指摘しており、今回はインフレを考慮した据え置きの可能性があります。ただトルコ経済は打撃を受けているものの5月時点から回復が始まっていると指摘しています。
トルコ中銀の発表直後はトルコリラが買われましたが、すぐに発表前のレベルに戻りました。
ドルトルコリラは6.6875まで下落しましたが6.7がサポートされ6.85付近に上昇しています。5月に6.9リラを割れて下落したことを考えると6.9を超えてリラ安が進むか重要なレジスタンスレベルで、ここを超えれば7リラ付近への上昇、越えなければ6.7~6.9のレンジを予想します。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は16.239円まで上昇後に15.50付近に下落しましたがここがサポートレベルとして機能しています。一目均衡表の雲の中の動きが続き、15.50付近がサポートとされれば15.50~16円のレンジ、15.50を下抜けした場合は15.30付近への下落を予想します。
【南アフリカランドの材料と予測】
南アフリカではコロナの累計感染者数が10万人を超えてきており、さらなるロックダウンも考えられますが、経済への影響を考えるとロックダウンも難しい状況が続いています。
23日に発表された第1四半期の失業率は30.1%と前回の29.1%から上昇しました。
24日に発表されたムボウェニ財務相の予算演説では、2020~21年度の財政赤字のGDP比は14.6%になると予想されました。公的債務のGDP比も80%を超える見通しとなりました。
財務省の予測はおおむね市場の予想通りでした。
マーケットはこの発表に対して大きな反応はありませんでした。
ドルランドは16.33までランド高になりましたが、その後17.50付近に上昇しドル高ランド安が続いています。
17.50付近がレジスタンスになり、ここが抑えられれば16.50~17.50のレンジが予想されます。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は6月10日に6.554円まで上昇しましたがその後6.086円まで下落しました。6.08円付近は上昇前のおしめで、ここがサポートされれば6.08~6.4円のレンジが予想されます。
6.08円を下抜けした場合は6円付近への下落が予想されます。
【メキシコペソの材料と予測】
25日にメキシコ中央銀行は予想通り政策金利を0.5%引き下げて5.0%としました。中銀は経済成長に対するリスクバランスは依然として大幅に下方に偏っているとしました。インフレ率は目標の3%の目標に近づく可能性があるが依然として不確実だとしています。市場の予想ではさらなる利下げトレンドは継続という見方もあり、インフレ率の落ち着きと経済の減速がその裏付けとされています。
ドルメキシコペソは21.50ペソ付近までペソ高になりましたが6月10日以降はドル高ペソ安の流れとなり23ペソ付近までペソ安が進んでいます。23ペソ付近は下落前のサポートレベルで、ここがレジスタンスとなれば21.50~23ペソのレンジが想定されます。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は4.22円まで下落後6月5日に5.103円まで上昇しましたが、6月12日に4.64円まで下落しました。
4.5円付近が短期的なサポートとなっており、ここを維持できれば4.5~4.9円のレンジ、4.5円を下抜ければ4.4円付近への下落を予想します。