ムボウェニ財務相は24日に2020・21年の補正予算案を国会に提出しました。2月の発表した当初の予算が感染拡大で継続不可能になったことによる見直しでした。
注目された財政支出のGDP比率は2020・21年度が-15.7%(当初は-6.8%)、2021・22年度は-9.2%(当初は-6.2%)となりました。
政府債務残高も2020・21年度末にGDP比81.8%(2019・20年度は63.5%)に急増し、抜本的改革がない場合は財政危機に陥るリスクが懸念されます。
今回の財政の悪化は経済活動の減速による歳入の大幅な減少が原因で、補正予算案では歳入の見通しが20%以上も下方修正されました。
また今回のコロナの経済減速に対する対策に歳出の11%に当たる支出が組み込まれており、これが歳出全体を押し上がました。
来年以降は経済が回復し歳入も増加することが見込まれていますが、そうなったとしても景気の回復によって大幅な増収を見込むことは難しく歳出を削減し、増税をするなど積極的な対策を打たなければ財政再建は困難になる可能性もあります。
その意味では10月に中期予算政策声明で財政再建案を準備している結果に注目が集まります。ここで具体性のある財政再建案が出なければ南アフリカ市場に動揺が走る可能性があります。
【南アフリカランドの動き】
今週のドルランドは17.2916ランドオープンで16.98ランド付近に下落しランド高になっています。6月10日に16.3318ランドまで下落したドルランドは17.53ランドまで上昇しましたが17.50付近がレジスタンスになっています。17.50が抑えられれば16.50~17.50のレンジと思われます。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
チャートはランド円の日足です。4月6日に5.595円まで下落した後に6月8日に6.483円まで上昇しました。その後は再度下落しましたが5.595~6.483円の50%戻しの6.07円がサポートされ、6.32円付近に上昇しています。6.07円が重要なサポートとして機能しており、RSIは68%ほどで、6.55円付近への上昇を予想します。
【トルコリラの動き】
今週のドルトルコリラのレンジは6.8404~6.8574リラの狭いレンジで推移しています。ドルトルコリラは6月17日以降6.85リラ付近の非常に狭いレンジとなっています。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は5月7日に14.611円に下落した後は6月2日に16.239円まで上昇しました。その後は6月23日に15.471円まで下落しましたが、そのレベルがサポートされて15.67円付近で推移しています。
15.43円が14.611~16.239円の50%戻しに当たり、ここが中期的なサポートとして機能しています。ここが維持できれば一目均衡表の基準線の15.85円、雲の上限の16.05円付近への上昇を予想します。
【メキシコペソの動き】
ドルメキシコペソは6月9日に21.4632ペソまで下落後に6月30日に23.229ペソまで上昇しましたがそのレベルがレジスタンスになり22.45ペソ付近で推移しています。22.25ペソ付近は5月20日に下抜けするまでサポートしていたレベルで、ここがレジスタンスとして機能しています。ここが上抜けできないと22~23.25ペソのレンジを予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は4月6日に4.22円まで下落した後、6月8日に5.103円まで上昇しましたが、その後は反転し6月29日に4.63円まで下落ました。4.66円が4.22~5.103円の50%戻し、一目均衡表の雲の上限が4.5円付近に位置しており中期的に重要なサポートとして機能しています。
短期的にはこのレベルがサポートされ上昇が予想されます。一目均衡表の基準線が4.87円付近6月16日の高値4.905円付近がターゲットになります。ここを上抜けできれば8日の高値5.103円がターゲットになります。
新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント