7月9日の時点で南アフリカのコラナウィルスの感染者数は224,665人(世界で13番目)となりロックダウン解除後も感染拡大が続いています。
ナイドゥ南アフリカ副総裁は7日インタビューで南アフリカの財政状況に対する懸念を示しました。2009年の金融危機を比較しても悪く、短期的には海外からの資金調達は可能だがそれは短期的な解決策にしかならないと述べています。財政をしっかりコントロールしなければ債務を支払うことができずアルゼンチンのようになるリスクがあると警告しています。
新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【南アフリカランドの動き】
新興国通貨の中では今週の南アフリカランドは堅調に推移しています。ドルランドは先週17ランド付近を下抜けし16.7959ランドまでドル安ランド高が進んでいます。17.50付近が中期的なレジスタンスになりランド高が進んでおり16.50付近を目指す動きが予想されます。
ZAR/JPY 4時間足BIDチャート
チャートはランド円の4時間足です。
ランド円は6月11日に6.55円まで上昇後に6月22日に6.086円まで下落しましたが、その後は今週6.385円まで上昇し戻り高値となっています。
6月11日に下落するまでのサポートレベルの6.38円(6.55~6.086円の38.2%戻し)が中期的なレジスタンスになっています。
ここを上抜けできれば6.38~6.56のレンジに戻る可能性がありますが、ここを上抜けできないと短期的には6.3円、ここを下抜けすると6.45円付近への下落を予想します。
【トルコリラの動き】
ドルトルコリラは7月3日に6.8785リラまでドル高リラ安となりましたが、その後は6.8511~6.8684リラの狭いレンジで推移しています。
リラ円は7月1日に15.776円まで上昇後に7月3日に15.403円まで下落しました。その後は15.691~15.555円の狭いレンジで推移しています。
トルコ通貨当局の通貨防衛が行われている可能性が強い値動きですがボラティリティがかなり低下してきています。
TRY/JPY 日足BIDチャート
チャートはリラ円の日足です
リラ円は5月7日に14.611円まで下落後に6月2日に16.239円まで上昇後は先週15.403円まで下落しましたがここ1か月は15.403~15.798の狭いレンジで推移しています。15.435円は14.611~16.239円の50%戻しに当たります。
一目均衡表の雲のねじれが起こっており転換線が15.590、基準線が15.802円に位置し転換線と基準線の間で推移しています。
このレンジのブレークを待ちたいと思いますが、下抜けした場合は61.8%戻しの15.245円付近、上抜けした場合は16円付近への上昇を予想します。
【メキシコペソの動き】
ドルメキシコペソは6日に22.155ペソまでドル安ペソ高となりましたが、その後は22.899ペソまでペソ安が進みました。
7月8日に行われたトランプ大統領とロペスオブラドール・メキシコ大統領の会談に向けて期待感や、世界的に株価の上昇が続く中でリスク選好によりメキシコペソが上昇する局面もありました。
しかし会談はそれほど期待通りに進んだわけではないようです。もともとUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の発行を祝う首脳会談でしたが米政府の関税発動の検討からトルドー・カナダ首相が出席を見合わせたために2日の予定が1日に短縮されました。ロペスオブラドール大統領が進展させようとしたエネルギーインフラ分野での数十億ドル規模の契約再交渉や麻薬対策などの具体的な結果はありませんでした。
トランプ大統領としては選挙前にメキシコ系の選挙民にアピールできたかもしれませんが、ロペスオブラドール大統領に関しては元駐米メキシコ大使が、ロベスオブラドール大統領のトランプ氏がメキシコ人に敬意を払っているという発言には移民たちのリーダーを驚愕させていると発言しています。ロペスオブラドール大統領の姿勢には反発が起こるかもしれません。
MXN/JPY 1時間足BIDチャート
チャートはペソ円の時間足です
ペソ円は先週書いたように4.66円がサポートされ4.855円まで上昇しました。週初が高値となり4.625円まで下落後に4.753円に上昇しました。4.755円が4.855~4.692円の38.2%戻しに当たり、ここが短期的なレジスタンスになっています。
短期的には4.69~4.76円のレンジを想定します。