来週は23日にトルコ中央銀行の金融政策決定会合と南アフリカ中央銀行の金融政策決定会合が開催されます。
先進国中央銀行の多くが金融緩和を行い一旦様子見となっている中で新興国の中央銀行はまだ緩和スタンスを続けています。
そのような中で23日に行われるトルコと南アフリカ中央銀行の会合では更なる金融緩和が予想されています。
6月25日に行われたトルコ中央銀行の会合では政策金利の1週間物レポレートを8.25%に据え置きました。据え置きは10会合ぶりとなりました。
中銀はコアインフレ率の上昇を金利据え置きの理由とし、季節要因とウイルスの流行で食料品価格が上昇したことに対して懸念を示しました。
トルコ経済の減速、エルドアン大統領の利下げ圧力を受けて次回は利下げ予想が強まっていますが、利下げによりリラが売られる可能性もあります。
南アフリカ中央銀行は5月21日に4会合連続で利下げを行い政策金利を4.25%から3.75%に引き下げました。深刻なリセッションが予想される国内経済をサポートするための引き下げであることを明らかにしました。
7月に入り世界的に経済が持ち直すとランドは堅調に推移しました。しかし感染拡大が続いており景気先行きは依然として不透明感があり、ランドの重石になっています。このことから23日の会合では利下げが予想されています。
新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【南アフリカランドの動き】
先週のドルランドは16.781オープン、16.703クローズで0.46%の下落となりました。ランド円は6.367円オープン、6.407円クローズで0.63%の上昇となりました。
世界的なリスクオンの動きを受けてドルランドは16.5085まで下落しランド高が進みました。しかし6月10日の安値16.3319には届かずこのレベルがサポートとなっています。ここが維持されれば16.33~一目均衡表の雲の下限が位置する17.22のレンジとランド安を予想します。
ZAR/JPY 4時間足BIDチャート
チャートはランド円の4時間足です。
ランド円は一時6.471円まで上昇しましたが6.4円付近で推移しています。6月11日の高値6.554円が中期的なレジスタンスとして機能しています。6.4円付近を下抜けした場合は一目均衡表の雲の上限が位置する6.327円付近への下落を予想します。このレベルが維持されれば6.327~6.5円のレンジを予想します。
【トルコリラの動き】
先週のドルトルコリラは6.8659オープン、6.8543クローズで0.17%の下落、リラ円は15.555円オープン、15.642円クローズで0.56%の上昇となりました。
トルコの金融監督局は5月に外国市場でのリラの取引や情報発信を制限しました。国内の金融機関に対してリラ取引の上限を縮小させ、一時はBNPパリバ、シティーグループ、UBSに対してリラ取引禁止を命じました。これらの措置によってトルコリラの取引は激減したことによって市場は安定しましたが、ほとんど動かなくなってしまいました。この傾向は今後も継続するものと思われます。
利下げがリラ安につながる可能性はありますが、最近の流動性の枯渇による市場の安定をみればあまり動かない可能性もあります。
TRY/JPY 1時間足BIDチャート
チャートはリラ円の1時間足です。
ドルトルコリラは6.85~6.88のレンジ、リラ円は15.52~15.70のレンジを予想します。
【メキシコペソの動き】
先週のドルメキシコペソは22.4456オープン、22.3776クローズで0.3%の下落、ペソ円は4.75円オープン、4.785円クローズで0.74%の上昇となりました。
ドルメキシコペソは一目均衡表の基準線、転換線、雲の下限が22.5860付近に位置しこのレベルが短期的なレジスタンスになっています。このレベルを上抜けできなければドルペソは7月6日の安値22.155、6月16日の安値21.8917付近への下落を予想します。22.5860付近を上抜けした場合は最近の高値22.9150付近への上昇を予想します。
MXN/JPY 1時間足BIDチャート
チャートはペソ円の1時間足です。
ペソ円は4.803円付近まで上昇しましたがそこが高値となり4.705円付近まで下落後に7.78円付近で推移しています。
4.78円付近に一目均衡表の雲の上限があり、ここが維持できれば4.78~4.80のレンジ、下抜けした場合は雲の下限の4.75付近への下落を予想します。