今週は世界的に株価が上昇しリスクオンの流れになっています。米10年債利回りは米国のインフレ指標が強かったことや米国債の入札の週だったことで0.68%付近に上昇しました。長期金利が上昇したことでドルの上昇となりましたが、その後ドルは下落し、まちまちの動きとなりました。
ドルの下落はランドやペソにとってサポートとなり両通貨は対ドルでも対円でも上昇しました。リラは対ドルでは下落しましたが、ドル円上昇のメリットを受けて対円では上昇しました。
新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラの材料と予測】
今週のドルトルコリラは7.2641オープン、7.3422クローズで1.08%の上昇、リラ円は14.491円オープン、14.527円クローズで0.25%の上昇となりました。
トルコ中央銀行は11日にプライマリーディーラー向けに実施していた政策金利の8.25%を下回る金利での貸し付けを停止すると発表しました。この発表を受けてドルリラは一時7.3リラから7.2リラにリラ高に、リラ円も14.40付近から14.799円まで上昇し対ドルでも対円でもリラは週の高値まで上昇しました。
これらの措置を受けて市場では20日のトルコ中銀会合では利上げの見方が広がっています。
ドルトルコリラは7リラを超えて定着しています。7.4リラが当面のレジスタンスになっています。7.1レベル付近に一目均衡表の転換線、基準線、20日移動平均線が位置し短期的なサポートレベルとなっています。
今の段階での利上げは通貨高に結び付くと思われます。もし利上げがあれば7.1レベルを下抜けして6.8リラ付近まで下落する可能性もあると思います。利上げがなければ7.4リラを超えてリラ売りが継続するものと思います。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は一時14.079円まで下落しましたが14.799円まで反発する局面もありました。14.93付近に一目の基準線が位置し当面のレジスタンスと思われますが、利上げがあればここを超えて下落前の15.50レベルまで反発する可能性があります。利上げがなければ14円を割れる可能性もあります。
【南アランドの材料と予測】
今週のドルランドは17.6396オープン、17.4266クローズで1.21%の下落、ランド円は5.983円オープン、6.118円クローズで2.26%の上昇となりました。
週初ドルランドは米中関係の対立などでランド売りになり10日に17.7858ランドまでランド安が進みました。このレベルには一目均衡表の雲の上限がありここがレジスタンスとなりました。ランド円も5.957円まで下落しました。その後ドル売りの流れとなりランドは反発しました。
11日に発表された6月の製造業生産は前月比で前年比-32.4%から-16.3%まで改善しました。
ドルランドは17.3404ランドまでランド高となりましたが一目均衡表の転換線が位置しています。ここが下抜けすれば雲の一目均衡表の雲の下限の位置する17ランド付近への下落を予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は6.155円まで上昇しましたが、6円付近がサポートされたことで6~6.25(一目均衡表の基準線が位置する)円のレンジを想定します。
【メキシコペソの材料と予測】
今週のドルペソは22.3823オープン、22.1666クローズで0.96%の下落、ペソ円は4.722円オープン、4.823円クローズで2.14%の上昇となりました。
メキシコ中央銀行は13日に政策金利を0.5%引き下げ4.5%としました。市場の予想通りでしたが理事会メンバーの一人は0.25%の利下げを主張しました。
声明ではインフレ、経済活動などを踏まえると金融政策と経済に大きな課題が生じている。今後の政策はインフレ見通しとインフレ期待に与える要因に左右され、これにはパンデミックによる影響も含まれると不透明感を指摘しました。今後はエネルギー価格の上昇などでインフレリスクが上昇する可能性が指摘され、またメンバーの一人が0.25%の利下げを主張したように利下げのペースが鈍化する可能性に市場が注目し始めました。
ドルメキシコペソは一目均衡表の雲の下限が位置する22.54付近がレジスタンスとなり、22.13~22.54のレンジで推移し利下げ後は小幅にペソ高になっています。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円も一目均衡表の雲の下限が位置する4.7円付近がサポートされ、4.829円まで上昇し中銀の利下げ後も高値圏で推移しています。6月以降の高値4.857円付近が中期的なレジスタンスとして機能しており、ここが上抜けできないようであれば4.7~4.857円のレンジ内の動きを予想します。
チャートは本日早朝分まで、レンジはニューヨーク・クローズまでです