新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラの材料と予測】
今週ここまでのドルトルコリラは7.7201オープン、7.9417クローズで2.87%の上昇、リラ円は13.536円オープン、13.311円クローズで1.66%の下落となりました。
地政学的なリスクが再びリラの下押し圧力になっています。NATOの一員であるトルコですがロシア製の防空システムであるS400のテストを強行しようとしています。これに対してNATO事務局長は懸念を表明しています。
トルコはすでにアゼルバイジャンとアルメニアの民族紛争へ介入しており、アルメニアの後ろ盾になっているロシアとの関係も微妙になっています。
この問題ではNATO加盟国のカナダはトルコのドローンが戦闘に使われている可能性があるとしてトルコへの武器輸出を停止しました。このようにトルコはNATO、米国などの西側諸国との関係も亀裂を生じてきています。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルトルコリラは一目均衡の転換線が位置する7.68リラ付近がサポートされ7.9426リラまで上昇しています。
トルコリラの下落は止まらず下落トレンドが継続し、地政学的リスクでの譲歩が待たれます。節目の8リラの付近が維持できるか注目されます。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は先週13.282円まで下落しましたが、今週は13.295が安値でそのレベルがサポートしています。リラ円も下落トレンドが止まらず12日連続下落になっています。14円が短期的なレジスタンスとなっており、ここが上抜けできないと13~14円のレンジが予想されます。
来週は12日に7月の失業率、8月の国際収支、13日に8月の鉱工業業生産の発表があり注目されます。
【南アランドの材料と予測】
今週はここまでのドルランドは16.4685オープン、16.5683クローズで0.61%の上昇、ランド円は6.367円オープン、6.383円クローズで0.25%の上昇となりました。
7日に南アフリカ中央銀行の金融政策レビューが発表されました。
現状の金利は非常に低いとしてこれはコロナ感染による経済の萎縮の影響としています。これに対して中銀は政策金利を1月の6.25%から3.5%に引き下げ、緩和の効果は12~18か月後にもっとも出てくるとしています。現状の政策金利は適切で様子を見ています。予想では経済が回復し、インフレ率が上昇する時期は2021年後半以降徐々にその動きになってくるが水準は低いままにとどまるとしています。
低金利によって政府の資金繰りをサポートしています。回復への逆風に電気があるとし電力の設備の老朽化などによる電力不足が経済回復の足かせになっていると指摘しています。
中銀の役目として財政の安定に寄与し、インフレを抑制することにあります。南アフリカ中銀はこの役目をこなしていますが、中銀のできることには限界があり、これだけでは経済を支えるには十分ではないとしています。
パウエルFRB議長も今週述べていますが、金融政策には限界があり、それだけでは経済を回復できないという悩みは現在世界中の中央銀行が抱えているのかもしれません。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは9月25日に17.2586の高値まで上昇後に10月5日に16.3521まで下落し短期的にはランド高が続いています。世界的な株価の上昇がランド高をサポートしているのでしょう。一目均衡表の転換線の位置する16.775付近がレジスタンスとなり、16.35付近を下抜けすれば前回の安値16.07付近への下落を予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は一目均衡表の雲の上限が位置する6.255円付近がサポートされ短期的な上昇トレンドが継続しています。しかし、前回高値の6.5円付近は中期的なレジスタンスとして機能しており、ここが上抜けできないと6.25~6.5円のレンジを予想します。
来週は12日に8月製造業生産、14日に8月小売売上高、の発表が注目されます。
【メキシコペソの材料と予測】
今週ここまでのドルメキシコペソは21.5771オープン、21.3497クローズで1.05%の下落、ペソ円は4.877円オープン、4.96円クローズで1.7%の上昇となりました。
5日にメキシコ政府はオブラドール大統領の記者会見の席で2970億ペソの官民合同の新たな投資計画を発表しました。投資計画の発表を受けてペソは堅調に推移しました。
2019年11月に発表された民間部門インフラ投資国家合意を新たに調整したものです。
エレーラ大蔵公債相によると今回のプロジェクトは第1弾のもので、エネルギー分野を中心に今後も新たな計画を追加していくと述べています。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルメキシコペソは投資計画の発表を受けて一時21.751ペソと9月22日以来のペソ高となりました。
一目均衡表の雲の上限が位置する22.50付近が天井圏となり、短期的には一目の基準線の位置する21.76付近がレジスタンスとなっています。このレベルが上抜けしなければ18日の安値20.8349ペソを目指すドル安ペソ高が継続するものと思われます。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円も9月24日の安値4.644円からの上昇トレンドが続いており4.967円まで上昇しています。
一目均衡表の基準線が位置する4.838円付近がサポートになっていますが、9月15日の高値5.031円が当面の高値として意識されます。ここが上抜けできないと4.83~5.03円のレンジを予想します。
来週は12日に8月の鉱工業生産の発表が注目されます。
レンジは5日から8日の終値まで、チャートは本日11時ごろまでのものです