新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラの材料と予測】
トルコは地政学的リスクと金融政策がリラ安を継続させています。
東地中海のガス田探索をめぐる摩擦に加えフランスで16日に起きたテロ事件でマクロン氏は風刺画をやめないと発言したことにエルドアン大統領が応酬してフランスは駐トルコ大使を召還し関係が緊張しています。ロシア製ミサイルの試射に関しては米国から制裁観測も出ています。
フランスの週刊誌がエルドアン大統領の風刺画を表紙にしたことで、トルコや一部のアラブ諸国でフランス製品のボイコットも出ておりフランスとトルコの対立がEUとイスラム諸国の摩擦にもつながっています。
加えてトルコの金融当局が通貨安について具体的な策を設けないこと、エルドアン大統領がリラ安は外国の陰謀などと発言していることでリラ安が止まりません。
USD/TRY 1時間足BIDチャート
26日に節目の8リラを超えたドルトルコリラは8.3189リラまで上昇しています。こうなると上値の目途は見えませんが、節目の8.5リラ、9リラが射程内に入ってきました。
押し目の目途としては8.2リラ付近が意識されます。
TRY/JPY 1時間足BIDチャート
リラ円はサポートされていた13円を下抜けして12.47円まで下落しましたが12.54円付近に反発しています。日足のRSIが10.32%まで低下してきており、短期的には底打ちの兆しがあります。12.67円付近の反発が予想され、ここ上抜けできれば12.80円付近への上昇を予想します。
【南アランドの材料と予測】
ムボウェニ財務相は議会に中間予算方針を示し、これによると公的債務の対GDP比は19年度末が63%、20年度末は82%、25年度末は95%と予想しています。ムボウェニ氏は債務危機に陥るわけにはいかないとし、21年度からの3年間公務員の昇給を凍結する考えを示しました。これは世界銀行が融資の条件として公務員の昇給凍結を求めたことが理由としています。公務員は130万人いますが、公務員を含めた労働組合の力は強く、労働組合との交渉が控えています。
ラマポーザ大統領は、1000億ランドで公共事業や教育などで80万人分の雇用を創出を行う経済復興再生計画を公表しました。これらの経済対策の実行と、財政赤字の削減という厳しいかじ取りが続きます。
USD/ZAR 1時間足BIDチャート
ドルランドは27日に16.0819ランドまで下落しましたが、株価の下落を受けてリスクオフで16.4871ランドまで反発しました。16.30付近がサポートとされれば16.60ランド付近への上昇を予想駆します。
ZAR/JPY 1時間足BIDチャート
ランド円は27日に6.496円まで上昇しましたが、株価が下落するとリスクオフの流れとなり6.316円まで下落しました。6.3円付近は10月15日の安値付近でありこのレベルがサポートすると6.4円付近へ反発しました。6.41円付近が一目の雲の上限に当たり、ここがレジスタンスとなると6.3~6.41のレンジが想定されます。
【メキシコのペソの材料と予測】
メキシコの国営石油会社ペメックスは7~9月期の決算で14億ペソの黒字となり2018年7~9月以来の黒字を確保しました。ペメックスは原油生産の減少で経営が悪化しており4^6月期は440億ペソの赤字でした。
ガソリンの輸入価格や為替差益が黒字の理由でしたが、5月以降に経済は回復してきており7~9月期の売上高も32%増加しました。また、23日に発表された8月の小売売上高は前月比2.5%増加と勢いは減速したものの経済の回復は続いています。
USD/MXN 1時間足BIDチャート
ドルペソは27日に20.8214ペソまで下落しましたが、株価下落によるリスクオフの流れを受けて21.4757ペソまで反発しました。20.83ペソ付近は9月18日もサポートされたレベルでドルペソの中期的なサポートとして機能しています。21.45ペソ付近に250日移動平均線、21.60付近に60日移動平均線、21.76ペソの一目均衡表の雲の下限が位置し、このレベルが10月8回以降のレジスタンスとなっています。ここが上抜けできないと20.83~21.76のレンジ継続が予想されます。
MXN/JPY 1時間足BIDチャート
ペソ円は5.02円まで上昇しましたが250日移動平均線が位置するこのレベルが再びレジスタンスとなり引き続き長期的なレジスタンスとして機能しています。
4.841円まで下落しましたが、このレベルに日足一目の雲の下限がありサポートとして機能しています。ここが維持できれば4.84~5.02のレンジ継続が予想されます。
チャートは時間足、レンジは30日AM1時までのものです。