新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラの材料と予測】
今週のトルコリラは下落から反発を大きく変動しています。先週ウイサル・トルコ中銀総裁の更迭を受けてドルトルコリラは8.575リラ、リラ円は11.999円の安値まで下落しました。
今週に入りエルドアン大統領の娘婿であり財務相であるアルバイラク氏が辞任しましたが、むしろリラは反発しました。
アーバル・トルコ中銀総裁は就任挨拶で価格安定のためにあらゆる手段を講じると発言。
これで次回19日の中銀理事会で利上げの期待が高まりこれもリラをサポートしました。
昨日はエルドアン大統領が、中銀の政策を完全にサポート、中銀の責務は物価を安定させること、インフレを一桁に低下させると発言。トルコ中央銀行は国内銀行が外国銀行との
為替スワップやデリバティブの上限を引き上げと流動性改善につながる政策を決定しました。
これまでエルドアン大統領が利上げに反対し、それに対して中央銀行が従うというパターンでリラ安が進みましたが、今回政権内でごたごたがあるようですが、少なくとも通貨防衛に対して真剣に取り組む姿勢を示したことでリラが上昇しました。ただ来週19日のトルコ中央銀行の会合で利上げができるのか見極める必要があります。利上げがなければ失望から売りになるでしょう。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルトルコリラは10月22日の安値付近の7.7762付近まで下落して言います。60日移動平均線が7.79、一目均衡表の雲の上限が7.71に位置しており7.7~7.8付近が重要なサポートとなっています。ここを下抜けできるようであれば雲の下限の7.4付近、そこを下抜けできれば7.14付近への下落を予想します。RSIも30.8%とまだ低下余地があります。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は60日移動平均線が13.512、一目の雲の下限が14.685に位置しこのレベルが短期的なレジスタンスとなっている。ここが上抜けできれば16.239~11.999の50%戻しの14.168、一目の雲の14.275、61.8%戻しの14.676円付近への上昇の可能性があります。いずれもトルコ中銀が通貨防衛にどれだけ真剣に取り組むかに注目したいと思います。
チャートは日足です。
【南アフリカランドの材料と予測】
9日に報道されたファイザーの開発するコロナワクチンの治験が有効だったことでリスクオンの流れからランドも恩恵を受けて上昇しています。
南アフリカの第3四半期の失業率は30.8%と前回の23.3%から大きく悪化しました。もともと高い失業率が続いていましたが、それに加えてコロナ感染の拡大が南アフリカの雇用に打撃を与えています。
11日にラマポーザ大統領は観光、接客部門をサポートする措置の一環で、すべての国との往来を解禁することを発表しました。必要な保健衛生上の措置を講じたうえで、すべての国からの渡航者を受け入れることとし、これによって観光・接客部門をサポートする予定です。
南アフリカにとっては雇用の問題、財政をめぐる課題と問題が山積みで、今回の措置がどれだけ雇用をサポートできるか見極めが必要です。
USD/ZAR 週足BIDチャート
ドルランドはファイザーのワクチンの件を受けたリスクオンの動きで15.1999まで下落しランドが堅調に推移しています。
15.45付近は2018年2月の安値15.078~4月の高値19.3508の50%戻しに当たり、このレベルは2月に上抜けするまでレジスタンスとなった重要なレベルです。ここを下抜けできればランド高が続き61.8%の14.53、上昇前の安値13.80付近への下落を予想します。ここを下抜けできないようだと15.45~16.60のレンジを予想します。
ZAR/JPY 週足BIDチャート
ランド円はレジスタンスになっていた6.566付近を上抜けして6.895まで上昇しています。節目の7がレジスタンスになっており、ここは2018年2月の高値9.28~4月の安値5.595の38.2%戻しにあたります。ここを抜けると50%戻しの7.444付近がターゲットになります。
一方6.5円付近がサポートとなり6.5~7のレンジが想定されます。
チャートは日足です
【メキシコのペソの材料と予測】
ここまで何かとメキシコに対して厳しかったトランプ大統領敗戦の可能性が高まりメキシコペソにとっても追い風になるのかペソは大統領選の直後から、徐々に上昇しドルペソは21を割れペソ円は5円を超える動きになりました。
9日にファイザーのワクチンの報道が出るとリスクオンの動きが加速し、ドルメキシコペソは9日に20.0233まで、ペソ円は5.236までペソが上昇しました。
昨日行われたメキシコ中央銀行の政策会合では政策金利を4.25%に据え置きました。事前予想が4%への利下げ、政策委員のうち1名が0.25%の利下げを主張とサプライズな結果となりました。
10月の消費者物価指数が4.09%となり中銀の目標上限の4%を3か月連続で上回りました。コロナの影響で経済が減速する中で今回4%への利下げが行われればマイナス金利になっていましたが、メキシコ中銀は据え置きとしました。
声明では経済活動はコロナ前まで戻っておらず下振れリスクがあるとしました。次回12月17日の会合での利下げ思惑も残る状態です。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルペソはサポートされていた20.85付近を下抜けしてペソ高が加速し9日に20.0233まで下落しましたが節目の20をサポートしました。今週はそこから20.6822まで反発しています。短期的には20.85付近がレジスタンスとなり20~20.85になるのか見極めたいレベルです。
MXN/JPY 週足BIDチャート
ペソ円は5.236円まで上昇し3月以来の高値を示現しました。5.187が3月に下落する前のサポートレベルだったので、そのレベルがレジスタンスとなり5.07付近で推移しています。
ここまでレジスタンスになっていた5~5.035付近をサポートできるかどうかが短期的には重要なポイントです。5円付近を維持できれば5~5.23のレンジを想定します。
ドルペソは日足、ペソ円は週足です
各通貨のレンジ、チャートはトルコリラ、南アフリカランドは12日深夜まで、メキシコペソは12日ニューヨークの終値です。ペソのチャートは本日分を含んでいます。