FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

YEN蔵の外国為替見聞録

最新の記事

リスクオンによる新興国通貨高は続くがまちまちの動きに

2020年12月18日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【トルコの材料と予測】

14日に米国は対ロシア制裁法に基づいてトルコの国防産業庁を対象として米企業の輸出やローンを制限しました。これはトルコがロシア製地対空ミサイルS400の導入したことに対する制裁でEUに続いて米国もさらなる制裁に踏み込みました。
10~11日のEU首脳会議でも制裁を拡大する方向で一致しました。欧米ともに懸念された制裁に対する報道が出た11日にドルトルコリラは一時8.0230リラと直近の高値付近までリラ安が進みましたが金融機関に対する制裁は回避されたことでリラ安も一旦落ち着きました。
16日にアーバル・トルコ中銀総裁は必要ならさらなる金融引き締めを行う、2021年まで金融政策を引き締める必要と発言したことでドルトルコリラは7.81リラから7.75リラに下落しリラ高の引き金になりました。

USD/TRY 日足BIDチャート

ドルトルコリラは日足一目均衡表の基準線の8.023で止められ、現状は一目の雲が8リラ付近、基準線が7.75、転換線が7.78付近と7.8~リラ付近が中期的なレジスタンスになっています。直近の7.74~8.02リラのレンジを下抜けしつつあり7.5リラを目指すと予想します。

TRY/JPY 4時間足BIDチャート

リラ円は13.829円まで上昇後12.928円まで下落しましたが13.429円とのレンジで推移しています。13.429円を上抜けすれば13.829円付近への上昇を予想します。


【メキシコペソの材料と予測】

与党のMORENA(国民再生運動)がまとめた商業銀行が保有する余剰資金の買い上げを中銀に義務付ける法案を上院が先週可決しましたが、14日に下院は審議を行わないと発表したことでこの法案の可決の可能性は低くなり来年に持ち越される可能性が高まりました。
法案が成立すれば市中銀行に滞留している現金や観光収入の預入金が余剰なドル資金としてメキシコ中央銀行が市中銀行から買い取らなければいけません。
メキシコには麻薬取引によるドル資金が多く流通しており、それらの資金がメキシコ中央銀行に買い入れられる可能性が高く、法案にはブラックリスト対象からの買い入れ義務はないとの修正が加えられましたが、そうなるとメキシコ中央銀行が米国からマネーロンダリングの制裁対象となる可能性がでてきます。
そのためにメキシコ中央銀行、複数の民間銀行、メキシコの有力な経済団体であるCCE(企業家調整評議会)が反対を表明していました。

USD/MXN 1時間足BIDチャート

ドルペソは9日に19.6905ペソまで下落後に法案がらみを嫌気して20.251ペソまで上昇後に19.7282ペソまで下落しています。20ペソ付近が短期的なレジスタンスとなり、ここを下回っている状況では下落トレンドが継続ですが19.6905、19.72ペソ付近でダブルボトムとなりレンジが予想されます。

MXN/JPY 1時間足BIDチャート

ペソ円は9日に5.286円まで上昇後に15日に5.125円まで下落。その後5.22円まで反発しました。
現状は5.18円まで下落しましたがこのレベルが短期的なサポートとなり、ここが維持できれば5.18~5.28円のレンジとなるでしょう。5.18円付近を下抜けした場合は再度5.12円付近への下落を予想します。


【南アフリカの材料と予測】

14日にラマポーザ大統領は新型コロナウイルス感染対策の進捗に関する国民演説を行いました。9日にズウェリ・ムキゼ保健相は会見で感染拡大の第2波が確認されたことを発表していたことで何らかの対策が行われるとの観測はありました。
ラマポーザ大統領は非常手段をとる必要があるとして、1、特に警戒するホットスポットを新たに設定、2、12月16日~1月3日に東ケープ州および西ケープ州ガーデンルート地区のすべての公園とビーチを閉鎖、3、警戒レベル1の順守と徹底、4、100以上の屋内、250以上の屋外イベント禁止、5、23時~4時まで夜間外出禁止、5、22時以降のレストランやバーの営業禁止、6、店頭の酒類販売を月~木曜日の10~18時に短縮
今回は飲食業など以外の企業活動や海外渡航に関する制限はありませんでした。しかしこの措置による経済の減速や、今後さらに感染が拡大した場合で医療体制が危機に陥ったときにさらに経済の規制が行われないか南ア経済にとっては注意が必要です。

USD/ZAR 週足BIDチャート

ドルランドは14.6549ランドと3月以来の安値を更新して下落しています。2018年の安値11.5078ランド~3月の19.3508ランドの61.8%戻しが14.50ランド付近、ここを下抜けすると上昇前のサポートレベル13.80ランド付近が下値のめどと思われます。

ZAR/JPY 週足BIDチャート

ランド円はレジスタンスになっていた6.58円付近を上抜け、一目の雲の上限である6.73円付近も上抜けして7.02円付近まで上昇しています。7.02円付近は2018年の高値9.28~4月の安値5.595円の38.2%戻しに当たります。
ここが抜けなければ6.73~7.02円のレンジ、上抜けした場合は50%戻しの7.458円付近がターゲットになります。

レンジ、チャートは18時に午前1時ぐらいまでのものです

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > YEN蔵の外国為替見聞録 > リスクオンによる新興国通貨高は続くがまちまちの動きに