新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコの材料と予測】
14日に米国は対ロシア制裁法に基づいてトルコの国防産業庁を対象として米企業の輸出やローンを制限しました。これはトルコがロシア製地対空ミサイルS400の導入したことに対する制裁でEUに続いて米国もさらなる制裁に踏み込みました。
10~11日のEU首脳会議でも制裁を拡大する方向で一致しました。欧米ともに懸念された制裁に対する報道が出た11日にドルトルコリラは一時8.0230リラと直近の高値付近までリラ安が進みましたが金融機関に対する制裁は回避されたことでリラ安も一旦落ち着きました。
16日にアーバル・トルコ中銀総裁は必要ならさらなる金融引き締めを行う、2021年まで金融政策を引き締める必要と発言したことでドルトルコリラは7.81リラから7.75リラに下落しリラ高の引き金になりました。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルトルコリラは日足一目均衡表の基準線の8.023で止められ、現状は一目の雲が8リラ付近、基準線が7.75、転換線が7.78付近と7.8~リラ付近が中期的なレジスタンスになっています。直近の7.74~8.02リラのレンジを下抜けしつつあり7.5リラを目指すと予想します。
TRY/JPY 4時間足BIDチャート
リラ円は13.829円まで上昇後12.928円まで下落しましたが13.429円とのレンジで推移しています。13.429円を上抜けすれば13.829円付近への上昇を予想します。
【メキシコペソの材料と予測】
与党のMORENA(国民再生運動)がまとめた商業銀行が保有する余剰資金の買い上げを中銀に義務付ける法案を上院が先週可決しましたが、14日に下院は審議を行わないと発表したことでこの法案の可決の可能性は低くなり来年に持ち越される可能性が高まりました。
法案が成立すれば市中銀行に滞留している現金や観光収入の預入金が余剰なドル資金としてメキシコ中央銀行が市中銀行から買い取らなければいけません。
メキシコには麻薬取引によるドル資金が多く流通しており、それらの資金がメキシコ中央銀行に買い入れられる可能性が高く、法案にはブラックリスト対象からの買い入れ義務はないとの修正が加えられましたが、そうなるとメキシコ中央銀行が米国からマネーロンダリングの制裁対象となる可能性がでてきます。
そのためにメキシコ中央銀行、複数の民間銀行、メキシコの有力な経済団体であるCCE(企業家調整評議会)が反対を表明していました。
USD/MXN 1時間足BIDチャート
ドルペソは9日に19.6905ペソまで下落後に法案がらみを嫌気して20.251ペソまで上昇後に19.7282ペソまで下落しています。20ペソ付近が短期的なレジスタンスとなり、ここを下回っている状況では下落トレンドが継続ですが19.6905、19.72ペソ付近でダブルボトムとなりレンジが予想されます。
MXN/JPY 1時間足BIDチャート
ペソ円は9日に5.286円まで上昇後に15日に5.125円まで下落。その後5.22円まで反発しました。
現状は5.18円まで下落しましたがこのレベルが短期的なサポートとなり、ここが維持できれば5.18~5.28円のレンジとなるでしょう。5.18円付近を下抜けした場合は再度5.12円付近への下落を予想します。
【南アフリカの材料と予測】
14日にラマポーザ大統領は新型コロナウイルス感染対策の進捗に関する国民演説を行いました。9日にズウェリ・ムキゼ保健相は会見で感染拡大の第2波が確認されたことを発表していたことで何らかの対策が行われるとの観測はありました。
ラマポーザ大統領は非常手段をとる必要があるとして、1、特に警戒するホットスポットを新たに設定、2、12月16日~1月3日に東ケープ州および西ケープ州ガーデンルート地区のすべての公園とビーチを閉鎖、3、警戒レベル1の順守と徹底、4、100以上の屋内、250以上の屋外イベント禁止、5、23時~4時まで夜間外出禁止、5、22時以降のレストランやバーの営業禁止、6、店頭の酒類販売を月~木曜日の10~18時に短縮
今回は飲食業など以外の企業活動や海外渡航に関する制限はありませんでした。しかしこの措置による経済の減速や、今後さらに感染が拡大した場合で医療体制が危機に陥ったときにさらに経済の規制が行われないか南ア経済にとっては注意が必要です。
USD/ZAR 週足BIDチャート
ドルランドは14.6549ランドと3月以来の安値を更新して下落しています。2018年の安値11.5078ランド~3月の19.3508ランドの61.8%戻しが14.50ランド付近、ここを下抜けすると上昇前のサポートレベル13.80ランド付近が下値のめどと思われます。
ZAR/JPY 週足BIDチャート
ランド円はレジスタンスになっていた6.58円付近を上抜け、一目の雲の上限である6.73円付近も上抜けして7.02円付近まで上昇しています。7.02円付近は2018年の高値9.28~4月の安値5.595円の38.2%戻しに当たります。
ここが抜けなければ6.73~7.02円のレンジ、上抜けした場合は50%戻しの7.458円付近がターゲットになります。
レンジ、チャートは18時に午前1時ぐらいまでのものです