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YEN蔵の外国為替見聞録

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米長期金利の上昇が一服し新興国通貨も反発

2021年03月12日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【18日トルコ中銀の利上げはあるか?】

先週も書きましたがトルコの2020年10~12月期のGDP成長率は前年同期比5.9%となり予想の6.9%は下回りました。とはいえ7~9月期の成長率は6.3%で年間では前年比1.8%となりパンデミックの中で高成長を維持しました。これはトルコ政府による財政政策と金融緩和が効果を上げました。
とはいえ供給のキャパシティを超えた成長とトルコリラの下落で経常収支の悪化とインフレ率の上昇を招きました。
3日に発表された2月のインフレ率は前年同期比15.61%と1月の14.97%からさらに上昇しました。インフレ率が上昇している原因の一つはリラ安で輸入物価が上昇したことですが、11月以降のトルコ中央銀行のタカ派的なスタンスでリラは上昇し、その影響はいずれ輸入物価の低下とインフレ率低下をもたらすはずです。ただ通貨上昇がすぐにインフレ率を低下させるわけではなく、そこにはかなりタイムラグがあります。
また2月以降米長期金利の上昇によって金利差が縮小して直近はリラ安が進んでいます。
18日の会合では通貨の上昇の効果を待つか、さらに利上げをするか6対4ぐらいで据え置きではないかと予想しますが利上げの可能性もそれほど低いとは考えません。

USD/TRY 日足BIDチャート

ドルトルコリラは米長期金利の上昇でドルの上昇となりましたが、週足一目均衡表の基準線の7.7734付近がレジスタンスになっています。またこのレベルは11月の高値8.5750~2月の安値6.8933の50%戻しに当たります。7.74で天井をつけて下落局面ですが日足一目の基準線の7.335付近、雲の下限の7.285付近が短期的なサポートとなり7.25~7.7のレンジを予想します。

TRY/JPY 日足BIDチャート

リラ円は16日に15.251円まで上昇しましたが、このレベルは週足一目均衡表の雲の下限と2018年8月の下落の時の安値の15.525円と二つのレジスタンスレベルに当たりました。
14.01円付近が11月6日の安値11.999~15.251円の38.2%戻しに当たります。ここが短期的なサポートとなり一目の基準線が位置する14.60円付近がレジスタンスになっています。
オシレーター系を見ると底打ち感があり14.60円付近を上抜けできれば14.80円付近への上昇を予想します。


【ランド円は上昇トレンドが続いています】

9日に発表された南アフリカの2020年10~12月期のGDP成長率は前期比6.3%増と予想の5%を上回りました。2四半期連続のプラスでしたが2020年通年では7%の減少となりました。GDPの内訳は製造業が前期比21.1%、建設業が11.2%、卸売り・小売業が9.8%の増加となりました。
7~9月期の前期比67.3%からは成長が減速しましたが前期ベースで経済が回復してきているところは評価できます。

USD/ZAR 日足BIDチャート

ドルランドは2月24日に14.3863ランドまで下落しましたが、その後は米長期金利の上昇によってドルが上昇することで8日に15.5638ランドまで上昇しました。その後米長期金利が落ち着いたことなどで14.8623付近まで下落しています。1月11日の高値が15.6536で15.55~65付近が中期的なレジスタンスレベルとなっています。
短期的には上昇前のサポートレベルの14.80付近が維持されれば14.80~15.55のレンジ、下抜けした場合は14.3863の安値を目指す展開と予想します。

ZAR/JPY 日足BIDチャート

ランド円は2020年4月に5.595円まで下落後は2月に7.339円まで上昇しましたが上昇トレンドは継続中です。7円付近が短期的なサポートとなり2月24日の高値7.339円を目指す流れが継続と思われます。

【インフレ率が上昇中】

9日にメキシコ国立統計地理情報院が公表した2月の消費者物価指数は前年同月比3.76%に上昇し2020年10月以来の高い伸びとなりました。予想は3.72%でした。
2月の消費者物価指数は前月比では0.63%の上昇と予想の0.59%を上回りました。変動の激しい品目を除くコア指数は前月比0.39%の上昇となりました。
メキシコ中央銀行のインフレターゲットは3±1%で、ここまで上昇すると利下げが停止になるかもしれません。
メキシコ中央銀行は政策金利を2020年9月以降停止していた利下げを2月11日に0.25%引き下げて4%としました。消費者物価指数の上昇を考えると次回3月25日の政策会合では据え置きとなる可能性が高まりました。

USD/MXN 日足BIDチャート

1月21日に19.5406ペソまで下落したドルペソは、米長期金利の上昇を受けたドルの上昇で21.6251まで上昇しました。しかし米長期金利の上昇が落ち着くと20.6389ペソ付近まで下落している。上昇前の安値20.55ペソ付近が短期的なサポートとなり、ここが維持されれば20.55~21.62のレンジ、下抜けした場合は一目均衡表の雲が位置する20.20付近への下落を予想します。

MXN/JPY 日足BIDチャート

ペソ円は11月9回以降5.017~5.304円のレンジで推移しています。米長期金利の上昇でドル買いとなりペソが下落しましたがペソ円は3月8日に5.017円まで下落しましたが再びそのレベルを維持され5.238円付近まで上昇しています。引き続き5~5.3円のレンジを予想します。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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