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YEN蔵の外国為替見聞録

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リスクオンの流れで堅調な新興国通貨

2021年03月19日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【トルコ中銀は予想を上回る利上げ】

昨日トルコ中央銀行は政策金利である1週間物レポレートを17%から19%に引き上げました。市場予想は1%だったために予想を上回る利上げ幅でした。
先週のレポートでも書きましたが、トルコの2月のインフレ率は前年同月比15.61%と1月の14.97%から上昇しました。
拡張的な金融政策と財政政策によって供給能力を上回るスピードで経済が成長したことがインフレ率上昇の原因の一つです。
また昨年11月に金融政策をタカ派的に転換するまではトルコリラが大幅に下落したことで、輸入物価の上昇が物価を押し上げたこともインフレ率上昇の原因となりました。
また最近商品価格が上昇していることもあり、エネルギーを含む輸入物価の上昇がさらにインフレ率上昇の圧力になっていました。

USD/TRY 日足BIDチャート

米長期金利が上昇する中でドルトルコリラも2月16日に安値6.8933まで下落しましたが3月9日に7.7783まで上昇後下落に転じ7.42~7.63のレンジで推移していました。
利上げを受けてサポートされていた7.42付近を下抜けして7.3229まで下落しました。7.34付近が6.8933~7.7783のフィボナッチ・リトレースメント50%戻しに当たり、また一目均衡表の基準線が位置しここが維持できれば7.34~7.6のレンジを予想します。リラがさらに堅調になり7.34を下抜けすれば61.8%戻し、一目の雲の下限が位置する7.23付近への下落を予想します。

TRY/JPY 日足BIDチャート

リラ円は75日線が位置する14.27円付近がサポートされ利上げを受けて14.883円まで上昇しています。レジスタンスになっていた一目均衡表の基準線が位置する14.60円がサポートされれば14.60~前回の高値の15.25円のレンジを予想します。


【計画停電は経済の重しに】

ドルランドは3月8日に15.5638まで上昇しましたがその後は14.6067付近まで下落しています。
国営電力会社のエスコムは老朽化した石炭火力発電所の発電容量が低下したことで、10日に計画停電を開始しました。計画停電は頻繁に行われており、経済成長にとっては-材料になっています。
リスクオンの流れ、資源価格の上昇はランドにとってはサポート材料になっています。

USD/ZAR 日足BIDチャート

ドルランドは先週の戻り高値15.5638は1月11日の高値15.6536に近づきましたが、250日移動平均線が15.65付近に位置し、このレベルは長期的に重要なレジスタンスレベルとして機能しています。
短期的には15付近に一目の均衡豹の転換線、雲の上限が位置し短期的なレジスタンスになっています。ここがレジスタンスとなり前回安値の14.3863のレンジを予想します。

ZAR/JPY 日足BIDチャート

ランド円は2月24日の高値7.339円を上抜けして7.449円まで上昇しています。
7.47円付近が昨年コロナショック直前の戻り高値になっており、短期的にはこのレベルがレジスタンスとして意識されます。
一目均衡表の転換線、基準線が7.21円付近、25日移動平均線が7.19円付近に位置し、このレベルが短期的なサポートとして意識されます。ここからは7.19~7.47円のレンジが想定されます。

【ペソ円は高値を更新】

9日に発表されたOECD(経済開発協力機構)の経済見通しによるとメキシコの2021年のGDP成長率は4.5%でG20の中では11位となりました。G20の平均値は6.2%、世界の平均値は5.6%となっておりメキシコは平均からかなり成長率の伸びが低いグループに属しています。
2022年の予想は3%とG20の中で15位で2022年もメキシコの経済成長は不振が続く予想となっています。
OECDの予想によると新興国の中ではインド、中国、トルコ、インドネシアの予想が高く、メキシコ、ブラジル、南アフリカ、ロシアなどの新興国は総じて低い予想になっています。

USD/MXN 日足BIDチャート

ドルペソは8日に21.6251まで上昇しましたが、その後はリスクオンの流れもあり20.2725まで下落しています。
20.80付近に一目均衡表の基準線が位置しここが短期的なレジスタンスになっています。20.10に一目均衡表の雲の下限が位置し、20.10~20.80のレンジを予想します。

MXN/JPY 日足BIDチャート

ペソ円は5.05円付近がサポートされ5.367円まで上昇しています。
昨年2月の高値6.008円~4月6日の安値4.22円のフィボナッチ・リトレースメント61.8%が5.31円付近に位置し、このレベルまで上昇しています。
ここをサポートできれば76.4%戻しの5.57円付近への上昇を予想します。
短期的なサポートは5.31円、25日移動平均線の5.21円が意識されます。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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