新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【ドルトルコリラは高値更新】
25日にエルドアン大統領は4人のトルコ中央銀行副総裁のうちの1人のオグザン・オズバズ氏を解任しました。中銀当局者の解任は2か月で4人目となりました。後任にはエルドアン大統領の顧問でTED大学の経済学部長であるセミ・トゥメン氏が任命されました。
トゥメン氏は著名なエコノミストで2002年から2018年までトルコ中央銀行で様々な職務ついた経験もあり中銀副総裁としての資格は十分ありそうです。
とはいえこれまで金融引き締めで市場の信頼を築きインフレの抑え込みとトルコリラの通貨防衛に効果を上げた前メンバー7人のうち4人を解任したことは市場の信頼を築く助けにはならないでしょう。
USD/TRY 1時間足BIDチャート
このことが直接の原因ではないでしょうがドルトルコリラはドル高リラ安が進み、ドルトルコリラは1ドル=8.5356リラとドル最高値、リラの最安値の8.5750に近づいています。
ドルトルコリラは短期的には25日の高値8.4380付近、その後の押し目8.4106付近が短期的なサポートで上昇トレンド継続と思われます。
TRY/JPY 1時間足BIDチャート
リラ円も12.927円まで上昇しましたが、12.93円付近がレジスタンスになり12.85円付近に下落しています。ドル円が109.90付近まで上昇しているので、この程度の円高で済んでいますが、ドルトルコリラの動きを見ると直近安値の12.786円を目指す動きを予想します。
【利上げ観測でランド高に】
今週はFRBのハト派的な発言が続き、米10年債利回りも1.55%まで低下し新興国通貨は全般的にドルに対して上昇しました。
20日に南アフリカ中央銀行は政策金利を3.5%に据え置きましたが、この日発表された4月のCPIは年率4.4%と前月の3.2%から上昇しました。
クガニャゴ南アフリカ中銀総裁は物価上昇が永続すれば引き締めを躊躇しないと発言しており、市場では利上げに対する思惑がランド高をサポートしています。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは13.6674ランドまでドル安ランド高が進んでいます。短期的には5日移動平均線の位置する13.845ランド、一目均衡表の転換線が位置する13.92ランド付近がレジスタンスとなり、ここを抜けないと下落トレンドは継続でターゲットは2019年1月の安値13.23付近を予想します。
ZAR/JPY 週足BIDチャート
ドル円の上昇もありランド円は7.972円と昨年4月の安値からの戻り高値まで上昇してきています。レジスタンスになっていたコロナ前の高値7.815円を一気に上抜けして、次のターゲットは2019年4月の高値8.047円と8円抜けが予想されます。
短期的なサポートはここまでの高値7.815円付近、その後の押し目7.685円付近が予想されます。
【米国景気の回復がメキシコをサポート】
26日に発表されたメキシコの1~3月期のGDP確報値は前年同期比2.8%減少と4月の速報値の2.9%減少から若干上方修正されました。GDPの内訳をみると鉱業、製造業などが2%の減少にとどまる中で、金融・サービス業は3.4%の減少となりました。
特に3月の鉱工業生産は前年同月比1.5%の上昇となり2018年9月以来の上昇となりました。自動車や機械設備の生産が堅調になりました。
これら米国の経済が回復し米国への輸出が増加しました。4月のメキシコの貿易収支は15億ドルの黒字となりました。メキシコの輸出の8割は米国向けなので、米国経済の回復がメキシコ経済にとっては重要な要素になっています。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルメキシコペソは18日に19.7088とドル安ペソ高まで下落しました。その後は20.0354ペソまで上昇しています。
ここまで米長期金利が落ち着いていましたが27日に長期金利が上昇するとドルペソも上昇しました。20.0133ペソに一目均衡表の基準線が一目の雲の下限が20.1844ペソに位置し、ここが短期的なレジスタンスになっています。ここが上抜けできないと19.7088~20.18ペソのレンジを予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は5.446円に一目均衡表の基準線が位置し、ここがサポートになり5.506円付近まで上昇しています。このレベルがサポートされれば14日の高値5.528円を目指す動きを予想します。