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YEN蔵の外国為替見聞録

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トルコの物価上昇は加速?

2022年01月07日

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【物価上昇でトルコリラは下落】
3日に発表された12月の消費者物価指数は前年同月比36%と、前月の21%から急上昇しました。リラ安による輸入物価の上昇が、国内物価を押し上げています。12月の卸売物価指数も前年同月比80%で、いずれ消費者物価指数に跳ね返ってくる可能性があり、物価の上昇は加速しそうです。
物価上昇を受けてトルコの10年国債利回りは23.6%と、過去最高まで上昇しました。
物価上昇に対して経済団体のトルコ産業・起業家協会のシモン・カスロウスキ会長は、政策を再検討する必要性があると指摘したことが、現地のニュースサイトで報道されました。

USD/TRY 日足BIDチャート

ドルトルコリラは3日に13.8584リラまで上昇しましたが、一目均衡表の基準線が位置する14.20リラ付近がレジスタンスになっています。ここが抜けなければ、一目の雲の位置する12~14リラのレンジを予想します。

TRY/JPY 日足BIDチャート

リラ円は12月23日に戻り高値の11.073円から、3日に8.222円まで下落しました。25日移動平均線が位置する9円付近がレジスタンスとなり、節目の8~9円のレンジを予想します。


【利上げ観測でランドが堅調に】
米国の長期金利の上昇でドル高傾向がある中で、ドルランドも一時16.0677ランドまで上昇し、ランド円も7.137円まで下落しました。
その後ドルランドは15.6565ランドまで下落、ランド円は7.382円まで上昇し、やや堅調に推移しています。
SARB(南アフリカ準備銀行)が早ければ27日の決定会合で、主要政策金利のレポレートを0.25%利上げするのではないかとの予想が、ランドをサポートしています。
SARBは昨年7月に政策金利を3.5%まで引き下げて、その後は据え置きを続けています。市場では27日の利上げに続き、3月までにさらに0.25%の利上げも織り込み始めています。

USD/ZAR 日足BIDチャート

ドルランドは16ランド付近がレジスタンスになり、一目均衡表の雲の中で推移しています。15.50ランド付近は12月の安値、75日移動平均線もそのレベルに位置しています。短期的には15.50~16ランドのレンジを予想します。

ZAR/JPY 日足BIDチャート

ランド円は7.137円がサポートされて、7.36円付近で推移しています。一目均衡表の基準線、雲の下限が7.19円付近に位置し、ここを維持できれば7.5円付近への上昇を予想します。


【海外送金が通貨高をサポート?】
報道によると、メキシコの21年11月の同国の送金額が46.65億ドルになったと発表されました。19か月連続で前年同月比を上回ったようです。
メキシコ人は米国に移住や短期の労働者として働いており、米国からメキシコへの送金はかなりの額に上っています。
月間46億ドルほどというと、年間で500億ドルほどの送金があり、日本円でいえば5.5兆円ほどですから、日本の貿易黒字を上回ります。最近日本の貿易統計は赤字になることも多いのですが、リーマンショック前に黒字額が大きいころの、例えば2007年の貿易黒字は10.8兆円、1998年も13.9兆円の黒字もありましたが、だいたい6~8兆円の黒字だったので、この500億ドルという数字がメキシコ経済にとって大きな影響力があり、また為替にも影響を与えている(ペソ高の材料)可能性はあります。

USD/MXN 日足BIDチャート

ドルメキシコペソは12月31日に20.3173ペソまで下落、20.50ペソを中心に11月以来のペソ高のレベルで推移しています。米国の金利の上昇にもかかわらずペソが堅調なのは、中銀の利上げが功を奏しているのかもしれません。11月の安値20.24ペソから戻り高値の20.75ペソのレンジを予想します。

MXN/JPY 1時間週足BIDチャート

ペソ円は5.57円付近がダブルボトムになっており、サポートとして機能しています。一時5.693円まで上昇しましたが、5.7円が短期的なレジスタンスになり、5.57円が維持されれば5.57~5.7円のレンジを想定します。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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