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YEN蔵の外国為替見聞録

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トルコの様々な通貨防衛

2022年01月21日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【トルコ中銀は金利据え置き】
20日にトルコ中銀は政策金利の1週間物レポ金利を14%に据え置きました。予想通りでしたが発表後トルコリラは上昇しました。12月の政策会合で利下げ停止を示唆し、第1四半期に利下げの影響を監視するとしていましたが、今回の声明ではその期間が削除されたことから利下げの再開時期が遠のいたという観測がリラを支えた可能性があります。
トルコ政府は様々な手段で通貨防衛に動いています。国営大手銀行に対してリラ建て口座の勧誘を拡大しています。
19日にはアラブ首長国連邦(UAE)と640億リラの通貨スワップ協定を結びました。トルコ中銀はリラ防衛のためにリラ買い介入を行っている模様ですが、介入の原資である外貨をスワップ協定によって確保するのが目的です。ただUAEの通貨ディルハムはメジャーカレンシーでないために直接介入資金に利用するには困難が伴います。トルコ中銀としてはドル、ユーロ、円などのメジャーカレンシーの国とスワップ協定を結びたいところでしょう。

USD/TRY 1時間BIDチャート

ドルリラは13.50リラ付近がレジスタンスとなり、13.20~13.50のレンジが続いています。14リラ付近が中期的なレジスタンスとなっており、利下げの一旦停止を好感して落ち着いています。引き続き13~14リラのレンジを予想します。

TRY/JPY 1時間足BIDチャート

リラ円もボラティリティが低下し8円台で推移しています。8.35円がサポートとなり8.35~8.65円のレンジを予想します。


【ランドは利上げ予想で堅調に】
19日に発表された12月の消費者物価指数は上昇率が前年比で+5.9%と11月の+5.5%から予想を上回って上昇しました。予想は+5.7%でした。前月比+0.6%と11月の+0.5%、予想の+0.4%を上回りました。コアCPIは前月比+0.3%(11月+0.1%、予想+0.2%)、コアCPIの年率は+3.4%(11月+3.3%、予想+3.3%)といずれも上回りました。
インフレの高まりを受けて利上げ観測が高まりドルランドは15.56付近から15.10付近に下落しランド高となりました。
ロイターの調査によると27日の南アフリカ中銀の会合で政策金利を0.25%引き上げて4%にする予想が多くなっているようです。

USD/ZAR 1時間足BIDチャート

ドルランドは11月10日以来の安値15.0891ランドまで下落後に15.25付近に上昇しています。15ランド付近がサポートとなり15~15.60ランドのレンジを予想します。

ZAR/JPY 1時間足BIDチャート

ランド円は7.546円とこちらも11月以来の高値まで上昇後に7.45円付近で推移しています。株価下落などでリスクオフの流れが円高方向の動きを加速させています。7.35~7.55円のレンジを予想します。


【メキシコはリセッション入りか】
18日に発表されたメキシコの12月GDP速報値は前年同月比0.2%減少し、第4四半期のGDPも前期比マイナスになるとの観測が出ています。製造業などの第2次産業が前年同月比で0.4%増加、第3次産業が1.3%の減少となりました。
第3四半期がマイナス成長だったために、第4四半期もマイナス成長になると2四半期連続でマイナス成長となるためにリセッション入りとなります。
第4四半期のGDP速報値は31日に発表されます。
ここまで連続利上げを行っているメキシコ中銀ですが、リセッション入りした場合の金融政策に変更があるのか注目しています。

USD/MXN 日足BIDチャート

ここまで7週連続で下落してきたドルメキシコペソは17日の20.2407で下げ止まって20.50ペソに反発しています。今週はペソが下落していますが20.5290に25日移動平均線、20.5880に75日移動平均線、20.5930に一目基準線が位置し20.50~60付近がレジスタンスとして意識されます。ここが抜けなければ20.24~20.60ペソのレンジを予想します。

MXN/JPY 日足BIDチャート

ペソ円は5.693円まで上昇後に5.532円まで下落しています。5.523円に75日移動平均が位置しており短期的なサポートとして意識されます。ここが下抜けしてしますと5.4円付近への下落を予想します。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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