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YEN蔵の外国為替見聞録

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ウクライナ情勢の緊迫化と新興国通貨

2022年02月25日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【ウクライナ情勢の緊張でトルコ安に】
ここまで膠着状態だったトルコリラは、ウクライナ情勢の緊迫を受けて売られています。トルコはロシアから、ガス輸入の半分の供給を受けており、また観光業が主要な外貨獲得手段である中、ロシアからの観光客が国別でトップになっています。
一方でトルコはNATOに所属しており、ロシアに対しては微妙な立場に立たされています。
旅行客の減少とともに、リラ安・原油高はエネルギーを輸入に頼るトルコにとっては、経常収支の悪化材料になることから、リラの下落材料になります。

USD/TRY 1時間足BIDチャート

ドルトルコリラはジワリと上昇をはじめた24日に一時14.59リラまで上昇しましたが、すぐに14リラに下落するなど、ボラティリティが高まっています。ドルトルコリラは13~15リラのレンジを予想します。

TRY/JPY 1時間足BIDチャート

リラ円はサポートしていた8.25円付近を下抜けして7.644円まで下落しましたが、8円付近に反発しています。リラ円は7.5~8.5円のレンジを予想します。


【資源価格の上昇がランドをサポートしていたが】
ウクライナ情勢が緊迫する中で、資源価格の上昇がランドをサポートしました。ゴールドは節目の1900ドルを上抜けして、一時1975ドル付近まで上昇しました。
また23日に発表された南アフリカの予算案は、歳出の伸びが緩やかなものにとどまり、債務のピークが従来予想を下回る見通しとなりました。ゴドグワンナ財務相は「資源価格の上昇によって輸出が増収となり、税収が増えるとともに構造改革によって歳出を抑える」と述べました。

USD/ZAR 日足BIDチャート

これらを材料にドルランドは14.9026ランドと、2021年11月25日以来のレベルまでランド高が進みました。
しかし24日にロシア軍がウクライナに侵攻すると、リスク回避の流れでドル高となり、ドルランドは15.5176ランドまで上昇しています。15.50ランド付近に一目均衡表の雲の下限が位置し、レジスタンスとして機能しています。ここを上抜けすると、16ランド付近への上昇を予想します。

ZAR/JPY 日足BIDチャート

ランド円は7.7円付近まで上昇しましたが、このレベルがレジスタンスとなり、25日移動平均線が位置する7.53~7.7円のレンジで推移していました。しかしロシア軍侵攻によってこのレベルを下抜けし、7.44円付近に下落しています。ここには75日移動平均線が位置しており、サポートとなっています。このレベルを下抜けすると、7.3円付近への下落を予想します。


【利上げはペソをサポートするが成長は減速中】
メキシコは利上げと原油価格の上昇などがペソのサポート材料となり、ドルメキシコペソは23日に20.1472までドル安/ペソ高が進みました。
一方でメキシコは2四半期連続でマイナス成長となり、テクニカルリセッション入りしています。
1月31日に発表された2021年第4四半期のGDPは、前期比0.1%減少/前年同期比1%の上昇でした。
18日に発表された1月のGDP速報値では、前月比0.1%減少/前年比では0.7%増加する見通しとなりました。

USD/MXN 日足BIDチャート

ロシア軍のウクライナ侵攻でドル高/ペソ売りとなり、一時20.7756ペソまで上昇しましたが、一目均衡表の雲の下限が位置する20.50付近に下落し、このレベルが短期的なレジスタンスとなっています。抜ければ1月28日の高値20.9035付近が、レジスタンスとなるでしょう。

MXN/JPY 日足BIDチャート

ペソ円は5.708円まで上昇しましたが、ロシア軍侵攻でリスク回避となり、5.548円まで下落しました。しかし75日移動平均線が位置する5.568円、一目の雲の上限が位置する5.558円付近がサポートされ、5.61円付近で推移しています。このレベルが維持されれば、5.55~5.7円のレンジ。下抜けした場合は、5.5円付近への下落を予想します。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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