新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコにロシアから資金流入?】
ロシアのウクライナ侵攻で、制裁を受けているロシア富裕層の資金投資先が話題になっています。西側先進国には資産を置けないので、ロシアとの関係が比較的良好なトルコやUAEに資金が流入しているという報道があります。
トルコでもUAEでも、これらの資金は不動産市場に向かっているようです。トルコの不動産はイラン人、イラク人にも人気があり、ロシア人は戦争前からトルコの不動産市場にとっては優良顧客だったようです。
トルコでは25万ドル以上の不動産を購入し、3年間保有すると、パスポートの取得が可能なようで、周辺諸国の富裕層が投資目的だけでなく、不動産を取得するケースもあるようです。
USD/TRY 4時間足BIDチャート
ロシアのウクライナ侵攻開始後に13.6リラ付近から14.9855リラまで上昇しましたが、その後は14.86リラ付近がレジスタンスとなり、14.27~14.86のレンジで推移するなど、リラ売りも一服しています。米長期金利上昇も一服しており、14~15リラのレンジを予想します。
TRY/JPY 4時間足BIDチャート
リラ円は侵攻した2月24日の安値7.644円から、3月29日には8.431円まで上昇しました。ただこれはリラが上昇したというよりも、円が下落した影響が大きいのでしょう。ドル円上昇を受けてリラ円も上昇しており、ある意味、この局面では円が最弱通貨になっていたとも言えます。リラ円は侵攻前の高値8.6円付近がレジスタンスとなり、8~8.6円のレンジを予想します。
【失業率の上昇が経済の足かせに】
29日に南アフリカ統計局が発表した2021年第4四半期の失業率は35.3%となり、2008年以降で最高になりました。第3四半期は34.9%でした。失業者数は792.1万人となり、減少が大きかった業種は製造業で8.5万人、建設業で2.5万人となりました。
求職活動をやめた人も含む広義の失業率は46.2%となりました。
南アフリカは以前から停電など社会インフラが弱いことが産業の制約要因になっていましたが、これに加えコロナの感染拡大で失業率が悪化しました。
USD/ZAR 1時間足BIDチャート
ドルランドは一目均衡表の雲が位置する15.5ランド付近がレジスタンスとなり、一時14.392まで下落しましたが、10月の安値14.3442が維持されて14.5794付近まで上昇しています。14.40ランド付近がサポートとなり、14.80付近への上昇を予想します。
ZAR/JPY 週足BIDチャート
ランド円は2021年6月の高値8.162円を上抜けして、2018年6月以来の高値8.629円まで上昇しました。
前回高値の8.16円付近がサポートとなり、8.16~8.62円のレンジを予想します。
【メキシコ中銀総裁はインフレを重視】
メキシコ中銀は3月24日に政策金利を0.5%引き上げ、6.5%としました。利上げは7会合連続で、0.5%の利上げも3回連続でした。
ロドリゲス・メキシコ銀行総裁はもともとも財政の専門家であり、金融政策の手腕は未知数でしたが、ここのところのタカ派姿勢をマネージしています。
ロドリゲス総裁は、「一番大事なことはインフレ動向で、FRBの利上げで金融政策を決めているわけではない。FRBの利上げ動向はメキシコ中銀の金融政策にとって重要な変数ではあるが、唯一の要因ではない」と述べました。
今後の利上げについては、メキシコ中銀のインフレターゲット3%±1%のインフレ目標を守るのに必要なペースになると述べました。
メキシコのインフレ率とFRBの利上げペースを両方見ながらの動きとなる見通しです。
メキシコ中銀のタカ派姿勢が続けば、ペソは堅調に推移するものと予想します。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルメキシコペソはドル下落ペソ上昇で、一時19.8075ペソまで下落しました。ただ19.75付近は何度もサポートされているところで、このレベルが維持されれば、戻り高値の20.1865付近への反発を予想します。
MXN/JPY 週足BIDチャート
ペソ円は5.7円、6円と、ここまでのレジスタンスレベルを上抜けし、6.246円まで上昇後に6.08円まで下落しました。
短期的には6.08円がサポート、そこを抜けると6円付近がサポートレベルとして意識されます。6円を割れると5.9円付近への下落と見ますが、6円が維持されれば6~6.25円のレンジを予想します。