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YEN蔵の外国為替見聞録

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今週はドル堅調で新興国通貨は弱含み

2022年08月19日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント



【トルコ利下げで18リラ上抜け】
18日の金融政策決定会合では、政策金利を14%から13%に引き下げました。昨年12月に利下げを実施後は政策金利を14%で据え置いており、市場の予想も据え置きだったことから、サプライズな利下げだったといえます。
中銀はいくつかの先行指標で景気の失速が見られたため、先手を打った利下げだったと説明しています。工業生産の成長と雇用の拡大を維持するために、金融政策は経済を支援する方向を維持することが重要と説明しています。
しかし80%の消費者物価上昇の中での利下げは、市場に大きな失望感を与え、リラは下落しました。

USD/TRY 1時間足BIDチャート

利下げを受けてドルリラは18.1596リラまで上昇後、17.95リラまで下落しましたが、18.06リラ付近で推移しています。レジスタンスになっていた18リラが維持されれば、ドル高リラ安は継続と予想します。

TRY/JPY 1時間足BIDチャート

リラ円は一時7.4円付近まで下落しましたが、7.487円付近で推移しています。7.54円付近が高値となり、7.34~7.54円のレンジを予想します。


【弱い小売売上高でランド売りに】
ロシア産石炭禁輸の代替として、南アフリカ産石炭の欧州への輸出が急増しています。南アフリカ最大の石炭積出港リチャーズベイ石炭ターミナルからの欧州向け石炭は、今年上半期で410万トン以上となり、前年同期の50万トンから8.2倍の規模になっているようです。
17日に発表された6月の小売売上高は前年比2.5%減少と、5月の0.1%、予想の0.4%を下回り減少しました。

ドルランドは先週8月10日、米CPI低下によるドル安の影響から16.10ランド付近まで下落しました。しかし今週はドルが堅調になり、16.9360ランドまで反発しています。弱い南アフリカの小売売上高も、ランド下落の材料になりました。

USD/ZAR 日足BIDチャート

16.95~17ランド付近は7月22日に下落する前のサポートレベルで、戻り高値の目途になっています。このレベルが抜けないようであれば再び16.10~17ランドのレンジを予想します。17ランドを上抜けするようであれば、7月14日の高値17.296ランド付近が視野に入ります。

ZAR/JPY 日足BIDチャート

ランド円は7月12日の高値8.256円から8.031円まで下落しています。
一目均衡表の基準線が8.02円付近に位置し、8円付近が短期的なサポートになりそうです。ここが維持できれば、8~8.25円のレンジを予想します。


【ペソ円は高値圏で推移】
日本経済新聞の記事によると、中国製造業によるメキシコへの投資が拡大しているようです。
メキシコは米国と貿易協定があるために、メキシコで生産し、米国へ輸出することで、米国の対中関税を回避するのが狙いのようです。
メキシコへ直接投資を行った中国企業は、2022年の時点で累計1289社になっています。
メキシコへの投資は、メキシコ経済とペソのサポート材料になる可能性はあります。

USD/MXN 日足BIDチャート

米CPI後のドル安の流れにて、16日には19.7956ペソまで下落したドルペソは、今週はドル高の流れで20.1771ペソまで上昇しています。
19.80ペソ付近は6月安値でもあり、再びサポートされました。20.20ペソ付近に一目均衡表の雲の下限も位置し、ここがレジスタンスになれば19.80~20.20ペソのレンジ、上抜けした場合は20.40ペソ付近への上昇を予想します。

MXN/JPY 日足BIDチャート

ペソ円は8月2日の安値6.362円から上昇トレンドは継続で、6.769円まで上昇しました。6.7円が短期的なサポートとなっており、6.7~6.8円のレンジを予想します。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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